「原子力損害賠償支援機構」理事長の記者会見の記事。
「理事長に就任した杉山武彦氏(前一橋大学長)は記者会見で、廃炉費用などが巨額になった場合、東電に出資し、名実ともに公的管理下に置く意向を示した。杉山氏は「原子炉の廃炉費用がどの程度のオーダー(規模)になるか分からないが、(巨額になる)そういう場合に(増資が)必要になる」と述べた。
東電には廃炉と放射能の除染費用が数兆円必要になると見られる。一方で東電の自己資本は約1兆円にとどまっており、自力で負担すれば債務超過に転落する恐れがある。」
支援機構の東電への支援には、主に、融資、資金交付、出資があります。企業は資金繰りさえつけば存続できるので、このうちのどれでもいいはずですが、債務超過がいやだというのであれば、出資しかありません。資金交付は法律上賠償金にしか充てられないようですし、仮に廃炉や除染費用などに充てることができるようにしたとしても、あとから特別負担金として返済しなければならない資金であるため、利益にすることはできません(当サイトの見解)。
出資の場合、当然、配当金の支払いや残余財産の分配において、機構の出資は現在の株主より優先されるべきですから、優先株ということになるのでしょう。普通株式の価値にはあまりプラスにはなりません(会社の存続可能性が高まることはプラス要素ですが)。
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