四半期報告書、来春に廃止 改正金商法成立、決算短信に一本化 「中長期視点の経営」遠く(記事冒頭のみ)
四半期報告書廃止などを含む金商法改正案などが可決成立したという記事。
「金融商品取引法改正案など金融庁提出の2法案が20日、衆院本会議で与党などの賛成多数で成立した。上場企業に提出を求める四半期報告書の廃止や個人の金融リテラシーの底上げを狙った金融経済教育推進機構の創設が決まった。ただ、企業の短期主義を是正するという当初の目的には遠く、中長期的な経営を促していくにはなお課題は多い。」
四半期報告書廃止といっても、第2四半期は半期報告書として残ります。現在、ASBJで、この新しい半期報告書に対応した「(仮称)中間会計基準等」を検討中です(→当サイトの関連記事)。
四半期決算短信も取引所のルールとして残ります。
「金商法改正を受けて東京証券取引所は決算短信の内容を拡充する。新たに事業別(セグメント)収益やキャッシュフロー(現金収支)に関する情報開示を求める。いずれも四半期報告書に記載している内容だが、決算短信に一本化してからも情報開示を後退させず、投資家の不利益にならないようにする。」
四半期決算短信の開示内容は、東証の「四半期開示の見直しに関する実務検討会」というところで検討中で、近日中に報告書が出るものと思われます。10月の会議では、その案が示されていました(→当サイトの関連記事)。
四半期見直しは、もともと、首相の「新しい資本主義」がきっかけだったわけですが...
「短期主義の是正と四半期開示の廃止という目的と手段に飛躍があるとの指摘も根強くある。」
実際は四半期開示廃止(あるいは任意化)までもいっていないわけであり、竜頭蛇尾の結果となりました。(支持率が下がるのもしかたがない?)
関連解説記事。
四半期報告書廃止へ金商法改正 これでお金が回るのか(日経)(記事冒頭のみ)
「強い信念がないまま多方面への配慮を優先し、一連の政策の整合性がとれなくなる。企業の四半期報告書廃止を盛った金融商品取引法改正は、そんな岸田文雄内閣の特徴がよく表れている。」
「金融界や投資家から強い反対論がわき上がったため、かねて四半期報告書との重複が指摘された短信への一本化が落としどころとなった。政策形成の過程で、短期主義の是正という理念が後退し、企業の負担軽減に論点がすり替わってしまった。」
四半期報告書、来春に廃止 改正金商法成立、決算短信に一本化 「中長期視点の経営」遠く:朝刊 金融経済面 https://t.co/HrwqqT86bg
— 日経ヨクヨム(朝刊・夕刊) (@4946nikkei) November 21, 2023
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国会提出法案等(金融庁)