経済産業省のコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会が、「コーポレート・ガバナンスの実践 ~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」という報告書を、2015年7月24日に公表しました。
「中長期的な企業価値向上のためのインセンティブ創出、取締役会の監督機能の活用、及び監督機能を担う人材の流動性の確保と社外取締役の役割・機能の活用という基本的な考え方の下で」、議論を取りまとめた報告書とのことです。
報告書本文は、抽象的な文言が並んでいる部分と成果物の概要説明だけで、あまり中身はありません。別紙などになっている以下の資料が、実質的な成果物のようです。
・我が国企業のプラクティス集(別紙1)
・英米における取組の概要(参考資料)
・会社役員賠償責任保険(D&O保険)の実務上の検討ポイント(別紙2)
・法的論点に関する解釈指針(別紙3)
最後の「法的論点に関する解釈指針」では、
・(取締役会への)上程事項
・社外取締役の役割・機能等
・役員就任条件
・新しい株式報酬の導入
について法的解釈を整理しています。
報告書公表前の記事ですが・・・
経産省、会社法指針策定へ 社外取締役の監視強化促す(産経)
「経産省は有識者による研究会で議論してきた会社法の解釈に関する指針を示すほか、事例集も作成し社外取締役の機能を明確化する。具体的には、企業内における独立した内部通報の窓口になることや、不祥事が発覚した場合の調査を担当することなどを示す方針だ。」
ところで、報告書本文に以下のような記述がありました。
「特に、過去の統計的な傾向を見れば、ローリスク・ローリターンの安定志向であり、主要 OECD 諸国の比較において、我が国企業の ROE・ROA は中央値・分散ともに極めて低い水準であることが指摘されている。」(1ページ)
普通は、「中央値」と並ぶのは「平均値」です。「分散」が低くても、ROEなどが高い水準であれば、問題ないように思うのですが。 ROE・ROA の分散が低水準なのはよくないという考え方があるとは知りませんでした。
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