会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

資本コスト きちんと把握し、収益向上(日経より)

資本コスト きちんと把握し、収益向上 (記事冒頭のみ)

日経の「総会の焦点」という連載の第3回の記事。

「1日に改定された企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)では、初めて「資本コスト」という文言が盛り込まれた。

株式会社は株主が出した資金が元手となって始まる。その資金を使って稼ぎ、配当金や株価上昇といった形で応えないといけない。資金の出し手が期待する見返りが、資本コストだ。」

「早稲田大学の柳良平客員教授の調査では、機関投資家の半数が日本企業の資本コストを8.0%と想定している。ただ、10%以上とみている投資家も1割以上いる。「資本コスト以上のROEを出して初めて株主の期待に応えられている」(柳氏)ため、株主との対話も欠かせない。」

資本コストは、株主資本コストを指す場合と、負債も含めた加重平均資本コストを指す場合があるようです。この記事でいっているのは、株式に投資する投資家の見方を聞いているので、株主資本コストのことなのでしょう。減損会計など会計や投資意思決定で出てくるのは、負債も含めた資本コストが多いように思います。

資本コストとか、ハードルレートとかを、検索してみると、無数に出てきますが、ある程度まとまった内容のものを紹介すると...

資本コストと企業価値(三菱信託銀行)(PDFファイル)

統計的に算出された資本コストは、国や業種によって、異なるそうです。さらには、同じ業種でも、各会社の状況によって大きくばらついているようです。

資本コスト・チャネルの機能不全(みずほ総合研究所)(PDFファイル)

「企業経営の現場に目を向けると、金融政策や市場動向の変化と比べて資本コストは硬直的で高止まりしていることが指摘されている。 ハードルレートが極端に高いケースもある」

「歴史的金融緩和下で高止まる資本コスト―― 「CAPMの呪い」 と呼べる状況は、日米欧の主要先進国に共通しており、企業自身ひいては経済全体の成長機会を奪いかねない問題である」

資本コストを意識した経営は、各企業にとっては合理的なのでしょうが、日本企業がみんな、投資家が要求する高めの資本コストを基準として意思決定を行った場合には、マイナスの影響も出てくるのでは。
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