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金融庁、監査法人の強制交代制を検討 東芝不正会計問題で浮上、“公認会計士業界”反発も(産経より)

金融庁、監査法人の強制交代制を検討 東芝不正会計問題で浮上、“公認会計士業界”反発も

金融庁が、監査法人の強制ローテーション制度の導入について検討を続けているという記事。先月公表された金融庁の報告書についてふれています。

「「東芝の事案で、パートナーローテーションは『新たな視点での会計監査』という観点からは十分に効果を発揮しなかった」

金融庁は7月20日に公表した第1次調査報告でこう結論付けた。

...

金融庁は今回の報告書で東芝がパソコン事業やインフラ、半導体などの事業で長年にわたり必要な損失を先送りするなどして利益を不正計上した問題について分析した。新日本監査法人は東芝を約47年担当。パートナーローテーションを実施していたが、「監査チームのメンバーが同社を担当した者が中心」となり、その結果、「東芝のガバナンスへの過信が生じ、批判的な観点から検証手続きが十分に行われないことが多く(なった)」と指摘した。」

東芝のケースでは、交代後の監査人であるあらた監査法人が「新たな視点」に基づき「不表明」や「限定付」の意見(結論)を出したのに、マスコミや会計士協会や金融庁からは、むしろ冷たい扱いを受けているように見えます。不思議な話です。

金融庁の方針は...

「金融庁は今回の報告書でEUは交代制を導入したが「混乱は見られていない」とした。18年当時より交代制導入の環境は整いつつあるが、結論では「あらためて検討することが重要」とし導入の是非に踏み込まなかった。金融庁の担当者は「日本で導入するかどうかはまだ中立の状態」と打ち明ける。」

強制ローテーション反対論は...

「日本公認会計士協会の関根愛子会長は7月19日の記者会見で「(新しい担当企業は)知らないので監査できないかもしれないと思った経験がある。パートナーローテーションがうまくいかないから(交代制に)いくのは一方的だ」と述べた。担当企業の知識がないことが不正の発見の遅れにつながりかねないとの認識だ。

業界には、交代制が導入されれば、新規契約を取るために監査法人が報酬の引き下げ競争に走ったり、中小監査法人が海外展開などで劣る大手に顧客を奪われたりするのではないかとの危機感も根強い。」

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