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オリコ、当期損失4579億円に みずほに金融支援要請

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オリエントコーポレーション(オリコ)の07年3月期連結決算の当期損失が4579億円に達するという記事。

「追加損失は4738億円。内訳は過払い利息返還の引当金増額に1488億円、貸し倒れ引き当て基準の厳格化による引当金増額で1624億円、リストラ関連費用で623億円。収益の悪化が見込まれることから繰り延べ税金資産を1003億円取り崩した。」

三洋電機の粉飾騒ぎで資産評価などの会計上の見積りがクローズアップされていますが、この会社の場合はどうなのでしょうか。

まず、利息返還引当金については、2006年9月中間期では約200億円(利息返還損失引当金)、同年3月期では90億円(貸倒引当金)しか積んでいません。たしかにこれまでにない事態なので見積りが難しいのはわかりますが、今までが他社と比べて甘すぎたということはないのでしょうか。

貸倒引当金増額1624億円については、会社資料では「貸倒引当金のより厳格化」を図ったといっており、いままでは厳格に査定していなかったともとれます。会社資料によれば、1600億円積み増し後の引当金が3200億円とのことですから、いきなり貸倒引当金が倍になります。いくら見積り項目だからといって、貸倒引当金というこの会社の本業に関わる項目がこんなにぶれるのはなぜなのでしょうか。

繰延税金資産の取り崩しについては、貸金業規制法改正などにより収益減になるからという理由が挙げられており、それはそれで理屈にあってはいます。しかし、そもそも、この会社が1000億円もの繰延税金資産を計上できる資格があったのかは、非常に疑問です。

いずれの項目も、なぜ今期に処理したのか、きちんとした説明が求められます。

会社の説明資料(PDFファイル)、特別損失の計上に関するお知らせ(PDFファイル)

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