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監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(再通知)(日本公認会計士協会)

監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(再通知)

日本公認会計士協会は、「監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(再通知)」という会員宛の文書を、2025年2月3日に公表しました。

この文書では、まず、金融庁によるある監査法人への行政処分(→当サイトの関連記事その2)に言及しています。

「本行政処分においては、業務管理態勢に関し、「業務執行社員が、監査報告書日後の追加的な監査手続の実施、監査調書の事後的な作成や改ざん等を指示し、監査補助者が当該指示を躊躇なく実行するなど、社員及び職員において、法令、監査の基準、倫理規則等を遵守して業務を遂行する意識が保持されていない。」旨が言及されています。また、品質管理態勢に関し、品質管理レビューに対する不適切な対応、審査会検査に対する不適切な対応、監査調書の管理及び最終的な整理(監査調書の変更等)の各項目に「監査調書の改ざんを組織的に行っている。」旨が言及されています。

監査調書の改ざん行為は、適時な監査調書の作成、実施した監査手続及び入手した監査証拠の文書化並びに監査ファイルの最終的な整理について、監査人が遵守すべき事項を定める監査基準報告書230「監査調書」等の要求事項に違反する行為であるとともに、公認会計士監査制度に対する社会的信頼を著しく失墜させる行為にも該当するものであり、極めて遺憾であります。」

協会は2023年に「監査ファイルの適切な整理並びに監査調書の管理及び保存に係る留意事項(通知)」(→当サイトの関連記事)を公表していますが...

「会員各位(特に、上場会社等の監査を行う監査事務所の品質管理責任者及び監査責任者)におかれましては、上場会社等監査人登録制度の運用に伴いさらなる監査品質の向上が求められている環境変化も踏まえ、今一度、上記の通知文をご確認の上、期末監査に向けて改めてご留意いただくようお願いいたします。」

PDF版では、関連する基準、監査基準報告書などの規定の抜粋も掲載されています。

例えば、「監査調書」の監査基準報告書では...

「14.監査人は、監査ファイルの最終的な整理が完了した後、その保存期間が終了するまで、いかなる監査調書であっても、削除又は廃棄してはならない(A23 項参照)。

15.監査ファイルの最終的な整理が完了した後に、第 12 項で想定されている状況を除いて、既存の監査調書の修正又は新たな監査調書の追加が必要となった場合には、その修正や追加の内容にかかわらず、監査人は、以下の事項を文書化しなければならない(A24 項参照)。
(1) 修正又は追加が必要となった具体的理由
(2) 修正又は追加を実施した者及び実施日並びにそれらを査閲した者及び査閲日」

整理期限が過ぎたら、保存期限終了まで削除・廃棄はできませんが、修正・追加は、必要事項を文書化した上で、実施することはできるということになります。

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