城西大学の不適切支出問題の背景を取り上げた記事。元文科省事務次官によるクーデターがあったのだそうです。
「5月31日に文科省で開かれた城西大学の会見は、前理事長・水田宗子(のりこ)氏の不適切支出を告発するものだった。しかしその背景には、理事長の椅子を巡るクーデターがあった。16年11月30日、同大学の理事会にて、元文科省事務次官である理事の小野元之氏は、水田氏の理事長解任についての緊急動議を提案。「デタラメ経営」「ワンマン」「認知症にかかっておられるのでは」といった“口撃”、そして水田氏の不正支出について述べたのである。
これに水田氏は、
「(支出には)経理上の監査役にあたる監事のチェックを受ける。好き勝手に何でもできる組織ではありません」「証拠がないから不意打ちするしかなかったのでは」
と一連の指摘を否定する。」
元文部事務次官は、文科省の調査を口実に、当時の理事長(不適切支出を行ったとされている)を辞めさせたのだそうです。
「けれど、それから約2カ月後、17年2月13日に文科省が城西大学に通知した調査結果は、小野氏が訴えた危惧とはかけ離れた内容だったと水田氏は憤る。
「通知はA4用紙1枚におさまる内容で、これは無事に終わった過去の調査と同じ分量。どこをどう深読みしても、文科省が理事長を解任しなければ補助金を止める、解散命令を下すなどの重大な叱責や指摘は見当たらない。元来、城西大は黒字経営で文科省から財務状況もAランクのお墨付きを戴いていましたから」
斯様(かよう)な結果にもかかわらず、小野氏は「理事長特別補佐」という肩書きを名乗り理事会を主導していく。後任の理事長には、理事の1人で大正製薬の現会長・上原明氏を据えて、水田氏を擁護した元大蔵省大臣官房審議官の鈴木達郎監事や柳澤城西大学学長(伯夫・元金融相)は学園を追われた。」
元金融担当大臣まで追い出してしまうとは...。
一般企業でいえば、社外取締役に会社を取られてしまったというところでしょうか。
もちろん、それに正当性があれば、問題にすべき話ではありませんが。
学校法人には株主のような所有者はいません。一般企業のように株主を説得するという手間をかけることもなく、理事会さえ掌握できれば、クーデターは可能なのでしょう。
城西大学で起きていた「理事長の椅子」巡るクーデター 元「文科省次官」の乗っ取り(デイリー新潮)
「創立者の水田三喜男(みきお)氏は、吉田茂から池田勇人、佐藤栄作など歴代内閣で大蔵大臣などの経済閣僚を歴任した大物政治家で、「所得倍増計画」の立役者として知られる。その次女が、今回の会見で不正を指摘された水田宗子(のりこ)氏だ。米・イエール大学で博士号を取得、女性学の研究者として教壇に立つ傍ら、理事長として経営に参画したが、いわば天下りで受け入れた文科省OBに疑惑を糺されたのだ。」
当サイトでも何回か取り上げています。
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