英議会の委員会が、ビッグ4事務所の監査と非監査業務を完全分離する「解体」に踏み込んだ提言をまとめたという記事。(直接的には英国内のビッグ4事務所の話です。)
「「監査と非監査事業の分離へ、ビッグ4の完全な組織的解体を推奨する」。英下院の民間企業・エネルギー・産業戦略委員会は、改革を提言するリポートで言い切った。企業の会計監査からコンサルティングまで幅広く手掛ける巨大法人による寡占が、監査不信や会計不祥事の一因になっていると指弾した。」
「同社(破綻したカリリオン社の監査人だったKPMG)を含む4大法人をめぐっては、日本の公正取引委員会にあたる英競争・市場庁が、寡占を問題視する報告書を18年12月に発表。組織内で監査・非監査業務を分離したり、大企業に2社以上の監査を義務付けたりする改善案を挙げた。今回の英下院委の発表は、分離についてより強く踏み込んだのが特徴だ。
競争・市場庁はグループ内で財務や報酬などを切り分け、運営面も分離する形態を提言した。下院委は完全な別法人として解体することも視野に入れるべきだとした。
こうした動きの背景には利益相反のリスク軽減や、監査レベルの向上に厳しい競争が不可欠という視点がある。経営サイドに立って経営や税務戦略を支えるコンサルティングを同時に行えば、外部からのチェック役であるべき財務監査が甘くなるとの疑念は根強い。
解体論のカギは、監査業務より非監査業務の方が総じて採算が良いという、大手グループの収益構造にある。コンサルでの稼ぎを前提として、採算割れで監査を受注していることが質の悪化や競争阻害につながっていると問題視している。」
MPs propose "structural break-up" of Big Four(economia)
当サイトの関連記事(競争・市場庁(CMA)の提言について)
その2(英国の財務開示監督機関の改革について)
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