東芝は第3四半期決算の発表を再び延期する方向だという記事。
「東芝はすでに取引金融機関などに、期限までの決算発表は困難、と伝え始めた模様だ。14日に関東財務局に再延期を申請し、決算発表に代えて延期の理由などを説明する記者会見を開く方向だ。関係者によると、再延期は1カ月程度になるとの見方が出ている。
東芝は、WHの経営幹部が部下に「不適切な圧力」をかけたとの内部通報があったことを受け、調査に約1カ月かかるとの理由で、先月14日に予定していた決算発表を延期。関係者によると、米国での原発建設を巡る61億ドル(約6900億円)の費用増について、経営幹部が部下に小さく見せるよう迫ったとされる。
東芝は、外部の弁護士事務所にも依頼し、決算への影響や、ほかに同様の事例がなかったかどうかなどを調べてきた。この調査の結果について、東芝側の監査法人は基本的に受け入れたが、WH側の米国の監査法人が承認に慎重な姿勢を示し、調整が難航していた。」
ということで、日本のあらたと現地監査人(たぶん米PwC)の意見相違で四半期レビューが完了しないということのようです。
財務局は、時間をかけて厳格監査するよう監査人に求めている立場ですから、会社から、レビュー未了を理由に延期の申請があれば、認めざるを得ないのでは。
東芝 決算発表を再延期…WH監査手間取り(毎日)
「関係者によると、WHの内部管理問題の調査の範囲や、報告書への記載内容などを巡って、東芝と米監査法人との間で意見が対立しているという。」
東芝、決算再延期 米監査法人が難色で14日発表間に合わず 上場廃止に現実味(産経)
「米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)で浮上した内部統制の問題をめぐり、米国の監査法人から了承を得られないため。」
東芝 異例の決算再延期へ “追加の損失計上”めぐり対立(TBS)
TBSも、日米の監査人間の意見相違という点では他の報道と同じですが、問題となっている論点がちょっと違います。
「しかし、その後も、この問題を調査している日米の監査法人の間で追加の損失を計上すべきかどうかなどで意見が折り合わず、14日の発表を再び延期することになりました。」
「不適切な圧力」だけでなく、追加損失計上の要否という会計処理の問題で争いがあるように読めます。
もちろん、監査人からすると、原発建設のコスト見積りというような話になれば、会社の内部統制に依拠して監査せざるを得ない(内部統制がだめだと査定した場合、数字を確かめる実証手続だけでは不十分)でしょうから、内部統制の問題と損失金額の問題を完全に分けることはできないのですが...
いずれにしても、14日には記者会見をするようですから、そこで説明があるのでしょう。
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