会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「東京生活館」運営会社、37億円申告漏れ 会社は審査請求(日経より)

「東京生活館」運営会社、37億円申告漏れ 会社は審査請求

ドラッグストアを運営する吉通貿易という会社が、東京国税局から約37億円の申告漏れを指摘されたという記事。

「消費税の輸出免税制度の要件を満たさない還付を受けた」とのことです。

「関係者によると、同社は2022年3月期までの4年間で化粧品などの輸出分を還付請求した際、税関が発行する輸出許可書を保管していなかったという。

さらに東京国税局は特定の取引先からの仕入れは架空と判断し、重加算税の対象にしたもようだ。」

仕入れも輸出売上も架空、あるいは国内売上の輸出売上仮装だとしたら、消費税の還付を狙った悪質な不正ということになりますが、この記事を読む限りでは、そういうケースと断定されてはいないようです。

会社からは、「本日の朝日新聞における報道について」という3月4日付のリリースが出ています。

「当社が、2020 年から 2022 年までの間、コロナ流行による全世界的な流通の混乱の中で、従前から利用していた輸出業者を利用できなくなった際に、国外の輸出業者に輸出を委託したところ、当該輸出業者が、当社の貨物を他社名義の輸出に混在させて輸出したため、当社名義の輸出許可書を取得できなかったこと等を、東京国税局から指摘されたものです。

当社は、この指摘を受け、既に昨年(2023 年)5 月に、消費税の修正申告を行い、当該修正申告による業績への影響については、前事業年度(2023 年 3 月期)決算において特別損失として織り込み、公表いたしました。

また、当社は、2023 年から当該国外輸出業者の利用を中止し、輸出許可書の保管体制を強化し、再発防止策を実施しております。」

輸出手続き(通関手続)はよくわかりませんが、この説明で説明になっているのでしょうか。会社の説明のとおりだとすると、単なる事務処理の手違いで巨額の損失が生じたことになり、それはそれで教訓になると思いますが...

架空仕入れの指摘に対しては、反論しています。「国税不服審判所において、徹底的に「真実」を追求していく所存」といっています。

輸出通関手続の概要(カスタムスアンサー)(税関)

「輸出の申告は、貨物の輸出者が、輸出の許可を受けるために原則としてその申告に係る貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関に対して行いますが、貨物の輸出者から委任を受けて、通関業者が代理申告することもできます。

次に、輸出申告の手続は、輸出しようとする貨物の品名並びに数量及び価格その他必要な事項を記載した所定の様式の輸出申告書に、仕入書、その他必要な書類(例えば、関税関係法令以外の法令の規定により、輸出をする際に事前に許可、承認等を受ける必要のある貨物については、その許可・承認書等)を添付して税関に提出することにより行います。」

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