PwC税理士法人が、三菱商事に生成AIシステムを提供し、経理業務を効率化する実証実験を行ったという記事。
「PwC税理士法人は税務関連のコンサルティングなどを手がける。外部のIT(情報技術)企業が作るAIシステムを自社で改良し、5月までの2カ月間、三菱商事に提供した。従来は何万件ものビッグデータをAIに与え、独自の基盤システムをつくるのが一般的だ。基盤の能力をすでに持つ生成AIを活用することで、導入時のコストや手間を省きやすい。」
日経記事ではどういう実験なのか漠然としていますが、PwCのプレスリリースはより具体的です。
PwC税理士法人、三菱商事の生成AIを活用した経理業務改革の実証実験を支援(PwC税理士法人)
「財務・経理業務では、契約書や請求書などの大量の文書から、経理担当者が目視で必要な情報を抽出し、分類や入力などを行う手作業が多くあります。そのためPwC税理士法人は三菱商事主計部(業務プロセス統括室)と連携し、文書の読み取りおよびその後の経理処理におけるAIを活用した自動化・効率化の第一歩として、AI-OCR(人工知能搭載型光学式文字読み取りシステム)と生成AIを組み合わせることによる、以下の業務プロセス効率化の可能性を検証しました。
- 有価証券報告書などの開示資料作成に必要となる保証債務に関する情報(「被保証先会社」「保証極度額」「保証残高」など)を、契約書や残高証明書などさまざまな形式の文書から抽出し(平均正解率97%)、データベースとなる一覧表を作成
- 税務申告の一つである支払調書を作成するにあたり、請求書から「会社名」や「摘要」などの情報を抽出し、支払調書の提出要否を判定(再現率98%)」