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福北監査法人に対する検査結果に基づく勧告について

福北監査法人に対する検査結果に基づく勧告について(PDFファイル)

金融庁の公認会計士・監査審査会は、福北監査法人を検査した結果、法令に違反する行為が認められるほか、当該監査法人の運営が著しく不当なものと認められたとして、行政処分その他の措置を講ずるよう金融庁長官への勧告を行いました(2008年3月28日付)。

法令違反の事実は、具体的には同時提供禁止業務の提供です。公認会計士法上の大会社等に対して、財務書類の調製に関する業務を行っていたようです。

「当該監査法人においては、法第24条の2に規定する大会社等に該当する会社から、法第2条第2項に規定する非監査証明業務である財務書類の調製に関する業務により継続的な報酬を受けているにもかかわらず、当該会社の財務書類について監査証明業務を行っている。これは、法第34条の11の2において準用する法第24条の2の規定に違反している。」

税理士事務所がやっているような記帳業務や決算書の作成は、公認会計士法上の大会社等(会社法の大会社のうちの一部+金融商品取引法監査(例外あり)+その他)の監査とは同時提供できないことになっています。もちろん、決算書をゼロから作ってあげるというのは完全に違反ですが、かつては、キャッシュ・フロー計算書などについて、助言といいながら、相当程度会計士が作っていたということもあったかもしれません。実際に調製業務提供で処分される例が出てくると、保守的に判断せざるを得なくなるでしょう。会社には会計士にたよらなくても財務諸表(注記も含む)を作成できるだけの能力をつけてもらうか、別途報酬を払って別の会計事務所にアウトソーシングしてもらうしかありません。

その他、以下のような項目が指摘されています。

・社員会の運営
・監査の品質管理のための組織的な業務運営
・日本公認会計士協会の品質管理レビューの指摘事項についての改善に向けての取組
・品質管理のシステムの監視
・前任監査人からの監査業務の引継
・リスク・アプローチに基づく監査計画の立案
・監査調書の作成・査閲・管理
・監査業務に係る審査
・審査資料の作成及び保存

福北監査法人(日本公認会計士協会の上場会社監査事務所登録名簿より)

公認会計士・監査審査会(CPAAOB)検査対策チェックリスト
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