会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

違約金だけではないスカイマーク救済の障害(ダイヤモンドより)

違約金だけではないスカイマーク救済の障害
強みの「無借金経営」と「リース債務」が裏目に


エアバス解約問題などで継続企業の前提の注記が付いたスカイマークを取り上げた記事。同社は、無借金ではあるものの巨額のリース債務を抱えているそうです。

「スカイマークの自己資本は、2014年6月末で約389億円。航空機はすべてリースでまかなっており、現在は33機。拡大路線を走ることで、提供座席と運航距離を掛け合わせた「座席キロ」という指標は、3年前と比べて倍増した。」

「借金がない代わりに、立ちはだかるのがリース債務だ。未経過リース料、つまり契約している年数分のリース料金の総額は、908億円(14年3月末)にも上る。収益改善のためには不採算路線の整理が必要となるが、大きく身の丈を縮めれば航空機が余り、リース解約が必要になるだろう。解約すれば未払い分がチャラになるということはなく、リース会社との交渉次第だが、ある程度は支払わなければならない。しかし、今のスカイマークに、大きなリストラ関連費用を計上する余裕はない。」

ファイナンスリースであればオンバランスであり、記事で言っているのは、オペレーティングリースの話です。総資産約790億円(そのうち問題のエアバスへの前渡金が約260億円)(2014年3月期)に対し、オフバランスの債務がそれ以上あることになります。

こういう事例をみると、オペレーティング・リースだからといって、オフバランスでいいのかと感じます(だからこそIASBなどでリース会計の見直しをやっているわけですが)。

また、こういう重要な情報である(少なくともこの会社にとっては)にもかかわらず、四半期報告書では開示対象になっていないというのも、疑問です。何でも簡略化すればいいというものでもないでしょう。


(同社有報より)
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