監査基準委員会報告書(報告書名が協会サイトへリンクしています。)
第59号「後発事象」
第60号「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
第61号「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」
第62号「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」
第63号「過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表」
第64号「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」
いずれも、2011年9月30日以後終了する中間会計期間に係る中間監査及び2012年3月31日以後終了する事業年度に係る監査から適用されます。
各報告書のプレスリリースには、「概要」を説明した資料がついていますので、詳しくはそちらを参照してください。
以下、「概要」資料(一部は報告書本文)から、さらに抜粋・要約しました。
第59号「後発事象」
・監査報告書日後に監査人が知るところとなり、監査報告書日現在に気付いていたとしたら監査報告書を修正する原因となった可能性のある事実を事後判明事実と定義し、それに関する実務指針も提供
第60号「財務諸表に対する意見の形成と監査報告」
・適正表示の枠組みでは、適用される財務報告の枠組みにおいて要求される事項に準拠して財務諸表を作成したとしても、財務報告の枠組みにおいて具体的に要求されている以上の開示や、財務報告の枠組みからの離脱が必要な場合があることから、作成された財務諸表が適正に表示されているとは認められない場合があり、その場合に要求される監査人の対応が記載されている。
・財務諸表と共に適用される財務報告の枠組みで要求されていない補足的な情報が表示される場合、監査人は、補足的な情報が監査した財務諸表から明確に区別されているかどうかを評価しなければならない。監査した財務諸表から明確に区別することができず、財務諸表の不可分の一部となる補足的な情報は、監査意見の対象としなければならない。
第61号「独立監査人の監査報告書における除外事項付意見」
・虚偽表示や監査範囲の制約が「重要だが広範でない」場合と「重要かつ広範」である場合に分けて規定
・財務諸表全体に対して広範な影響を及ぼす場合とは、監査人の判断において以下のいずれかに該当する場合をいう。
(1) 影響が、財務諸表の特定の構成要素、勘定又は項目に限定されない場合
(2) 影響が特定の構成要素、勘定又は項目に限定される場合でも、財務諸表に広範な影響を及ぼす、又は及ぼす可能性がある場合
(3) 虚偽表示を含む開示項目が、利用者の財務諸表の理解に不可欠なものである場合
第62号「独立監査人の監査報告書における強調事項区分とその他の事項区分」
・追記情報は、監査人が強調することが適当と判断した事項とその他説明することが適当と判断した事項の2つに分類される。これらは、無限定意見の場合だけでなく、除外事項付意見の場合にも付されることがある。
第63号「過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表」
・本報告書は、財務諸表監査における比較情報に関する実務指針を提供するもの
・監査人は、適用される財務報告の枠組みで要求されている比較情報が財務諸表に含まれているかどうか、及び当該情報が適切に表示並びに分類されているかどうかを判断しなければならない。
・比較情報に重要な虚偽表示が存在する可能性があることに気付いた場合、重要な虚偽表示の有無に関して判断を行うのに十分かつ適切な監査証拠を入手するため、追加的な監査手続を実施しなければならない。
・比較情報が対応数値として表示される場合、監査人は、一定の場合を除き、監査意見において対応数値に言及してはならない。
第64号「監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任」
・その他の記載内容とは、監査した財務諸表及び監査報告書が含まれる開示書類のうち、財務諸表及び監査報告書以外の情報と定義されている。その他の記載内容には財務情報及び非財務情報が含まれる。
・監査した財務諸表とその他の記載内容との重要な相違又は事実の重要な虚偽記載によって、監査した財務諸表の信頼性が損なわれることがあるため、監査人は、その他の記載内容を通読することが要求される。
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