金融庁の証券取引等監視委員会は、ジェイリース株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、法令違反の事実が認められたとして、課徴金納付命令発出の勧告を、2020年2月4日付で行いました。
「家賃債務保証事業から発生した代位弁済立替金に係る貸倒引当金を過少に計上するという不適正な会計処理を行った」結果、「「重要な事項につき虚偽の記載」がある...有価証券報告書及び四半期報告書を提出した」とされています。
そのほか、発行開示書類の虚偽記載も指摘されています。
有報と四半期報告書は、平成28年3月期有価証券報告書から、令和元年6月第1四半期四半期報告書までが対象となっています。
例えば、平成30年3月期を見ると、「・貸倒引当金の過少計上・貸倒引当金繰入額の過少計上」により、「連結純資産額が829,493千円であるところを1,304,486千円と記載」「親会社株主に帰属する当期純利益が▲63,544千円であるところを251,144千円と記載」となっています。
勧告された課徴金額は、4,478万円です。
会社のプレスリリース。
証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告及び特別損失の発生に関するお知らせ (PDFファイル)
過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ(2019年11月)(PDFファイル)
「当社は、債権状況のモニタリング体制や各部門の専門性の向上等、業務管理体制の強化に努めてまいりました。その結果、当第2四半期において、2018年7月より実施した組織体制の変更が貸倒引当金の計算方法に十分に反映されていなかったことが判明したため、貸倒引当金の計算方法を変更することといたしました。」
「これら貸倒引当金の計算方法の変更の適用時期を検討した結果、組織体制・対応方針を変更した時期(2019年3月期第2四半期)に遡って訂正を実施することが妥当であると判断したため、下記の通り、本日付で2019年3月期第2四半期から2020年3月期第1四半期までの有価証券報告書等の訂正報告書を提出し、訂正決算短信等の開示を行いました。」
当サイトの関連記事(当初発表時)
ジェイリースに課徴金納付命令~会計処理変更にともなうもので故意性は無し(NET-IB NEWS)
「監視委員会は今回の勧告について、「代位弁済立替金に係る貸倒引当金を過少に計上するという不適正な会計処理を行った」と説明。これに対し同社は、「課徴金納付命令の勧告を受けたことを真摯に受け止め、必要な対応を進める方針」としつつ、「これまでも公表させていただいた通り、隠匿した事実や、故意に不適切な会計処理を行った意図は一切ない」としている。」
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