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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ワイヤーカード粉飾「早く暴けず後悔」 EYトップが釈明(日経より)

ワイヤーカード粉飾「早く暴けず後悔」 EYトップが釈明

ワイヤーカード社の監査人だったアーンスト・アンド・ヤング(EY)がトップによる釈明の書簡を顧客に送ったという記事。ドイツの事務所のトップではなく、グローバル組織のトップがそういう書簡を送ったようです。

「書簡は14日付で、グローバル会長兼最高経営責任者(CEO)のカーマイン・ディ・シビオ氏の名義で出された。「不正はより早く見つかるべきだったと多くの人が考えていることを深く理解している」と述べた。

一方で事件に関して「全ての当事者を欺くように設計された、非常に複雑な犯罪ネットワークの共謀によるものだ」とも弁明した。監査には限界があったとする従来の立場をにじませた。」

監査人としての責任を認めたものではないようです。(訴訟がこわいから当然ですが)

海外報道のひとつ。書簡の原文の一部が載っています。

EY's chairman expressed 'regret' that German fintech Wirecard's fraudulent practices were 'not uncovered sooner'(Business Insider)

多くの人々が、ワイヤーカード社の不正はもっと早くに発見されるべきであったと考えており、われわれ(EY)はそのことを完全に理解していると述べています。EYは不正の摘発に成功したが、それがもっと早期でなかったことを後悔しているのだそうです。

"Many people believe that the fraud at Wirecard should have been detected earlier and we fully understand that," Di Sibio wrote in the letter seen by Financial Times. "Even though we were successful in uncovering the fraud, we regret that it was not uncovered sooner."

会長の書簡はパートナーに配布済みで、EYが関わっている会社の幹部にも送付される予定とのことです。(日本のネットワーク事務所のパートナーにも配られたのでしょうか)

Di Sibio's letter, that has been circulated to EY's global partners, will be sent to senior leadership at companies that work with the accounting group to temper the ongoing backlash.

ワイヤーカードにおける共謀による不正行為は、すべての人--EYだけでなく、投資家、銀行、監督当局、調査担当の弁護士、フォレンジック監査人--をだますように設計された非常に複雑な犯罪ネットワークを通じて実行されたと述べています。(このあたりは言い訳のようです。)

"The collusive acts of fraud at Wirecard were implemented through a highly complex criminal network designed to deceive everyone - investors, banks, supervisory authorities, investigating lawyers and forensic auditors, as well as ourselves," the chairman wrote.

公益は明らかに、最も早い段階で不正を発見するために、もっと多くのことを行うことを要求しているともいっています。(この箇所は、EYの監査が公益にかなうものでなかったと反省しているようにも読めます。)

"The public interest clearly requires that much more be done to detect fraud at its earliest stages."

EYのすべての監査業務従事者は、フォレンジック会計の年次研修を受けるのだそうです。

All auditors at EY will receive annual training in forensic accounting, according to the letter.

問題の残高確認についてもふれています。調査結果の先回りをするつもりはないが、あなた方(パートナーのこと?)やすべてのクライアントにとって重要であるひとつの事実を明確にしたい。トラスティ口座の外部確認状を入手した際、(銀行確認状を含む)入手した証拠は改ざんされていた。したがって、将来、これだけの規模の不正に取り組むために、われわれは、革新的テクニックとプロセスを必要としているということは、明白である。

"I am not going to pre-empt the outcome of any investigations, but I want to clarify a fact that I know is of considerable importance to you and all our clients...When external confirmations for trustee accounts were obtained, the evidence received (including bank confirmations) had been falsified. It is obvious, therefore, that we need innovative techniques and processes to tackle future fraud of this scale," Di Sibio said.
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