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金融庁、仮想通貨「みなし業者」3社一斉処分 資金洗浄対策や内部管理が不十分(SankeiBizより)

金融庁、仮想通貨「みなし業者」3社一斉処分 資金洗浄対策や内部管理が不十分

金融庁が、仮想通貨交換業者として登録申請中の「みなし業者」計3社に、業務の停止や改善を命じる行政処分を出したという記事。

「みなし業者は登録制の導入前から営業していた交換業者に、特例として認められる形態。金融庁は登録審査を事実上、厳格化しておりCAMPFIRE(東京都渋谷区)など全16社中6社が既に撤退する意向を示した。金融庁は、新規の登録に関心を示す企業が現在100社程度に上っていると明らかにした。未成熟な仮想通貨業界は、再編や淘汰(とうた)の動きがさらに加速しそうだ。

 金融庁は今回、2カ月間の業務停止をFSHO(横浜市)とエターナルリンク(東京都中央区)に命じ、この2社とLastRoots(東京都港区)に業務改善を命じた。FSHOには本人確認を怠るなど社内規則に違反が確認されたため、3月に1カ月間の業務停止を命じており、2度目の停止命令となった。」

日経の社説でも取り上げています。

出直し迫られる2年目の仮想通貨業界(日経)

「この1年、金融庁にとって誤算だったのは、急成長してきたこの業界の顧客保護に関する意識が想定以上に低かったことだ。登録制の導入後も、業者の半分が金融庁の登録審査を通過できていない。にもかかわらず仮免許扱いのまま「みなし登録業者」として営業を認められてきた。

そのひずみが端的にあらわれたのが、1月に大手コインチェック(東京・渋谷)で発生した580億円相当の仮想通貨の巨額流出事件だ。派手な広告宣伝を通じた顧客集めを優先し、肝心の預かった顧客資産をハッキングから守る基本的な体制がずさんだった。

金融庁は、2年目に入っても正式登録できる能力や意志を欠く業者には撤退を迫るなどして、みなし業者を解消すべきだ。」

マネックスによるコインチェックの買収にもふれています。

「IT企業や金融異業種の傘下で出直す動きもある。第1号として6日にコインチェックの買収を決めたネット証券マネックスグループの株価は急騰した。仮想通貨事業の将来性や収益力が評価されたためだが、マネックスには重い責任が伴う。コインチェックの株式上場構想を描く前に、同社の内部管理体制の立て直しが必要だ。」

処分に関する金融庁の発表。

FSHO株式会社に対する行政処分について(金融庁)

株式会社エターナルリンクに対する行政処分について(金融庁)

株式会社LastRootsに対する行政処分について(金融庁)

コインチェック買収に関する記事。

マネックス松本CEO、買収したコインチェック「2カ月で営業再開、将来のIPO目指す」(Newsweek)(ロイター配信)

「巨額の仮想通貨の流出を巡っては、コインチェックの利用者が訴訟を起こしているが、松本氏は同社の買収リスクは「限定的」だと語った。

ただ、事業の存続を決める交換業者の登録ができていない現状では、両社の間で将来の利益について「認識のギャップ」があるため、コインチェック株式の取得金額を36億円と設定したうえで、今後3事業年度の利益から一定程度を和田晃一良社長ら現所有者に支払うとしている。」

株式取得によるコインチェック株式会社の完全子会社化に関するお知らせ (マネックスグループ)(PDFファイル)

コインチェック社の決算数値が示されています(2017年3月期までですが)。



取得価額は3,600百万円ですが、変動部分があるそうです。

「コインチェックの現所有者との間で条件付対価に関する合意がなされています。今後3事業年度の当期純利益の合計額の二分の一を上限とし、一定の事業上のリスクを控除して算出される金額が追加で発生する可能性があります。」
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