英国で現代奴隷法という法律が昨年成立し、すでに適用されているそうです。
「英国現代奴隷法(UK Modern Slavery Act 2015)は、英国で事業活動を行う営利団体・企業のうち、年間の売上高が一定規模を超えるものに対して、奴隷労働と人身取引がないことを担保するために実施した取組みについて、年次でステートメント(Slavery and Human Trafficking Statement)を作成・公開することを求める法律です。2016年3月31日以降に終了する会計年度から適用が始まっています。適用対象となる英国で事業を有する日本企業は、早急に対応を進めることが求められます。」
インド、中国、パキスタンなどが多いそうですが、先進国でもかなりの被害者がいるそうです。
「国際労働機関(ILO)は、強制労働の被害者のうち150万人は欧州と北米にいると推計しています。また、英国に約1万3,000人が現代奴隷が存在し、劣悪な環境下で働いていると考えられています。世界奴隷指数の奴隷労働発生国には、日本も含まれます。」
英国で成立した「現代奴隷法」 人身売買報告書の作成義務も(Forbes Japan)
「「人権侵害」や「強制労働」。自分たちには関係がない、と思っていると、思わぬリスクに見舞われることになる。15年3月、イギリスでは「現代奴隷法」が成立し、10月に施行された。これは、イギリスで事業の一部を行う事業者のうち、年間の売上高が3,800万ポンド(約63億円)以上の企業は、毎年、「奴隷・人身売買報告書」を作成しなければならない、というものだ。イギリスに1社でも支社を持ち活動している商社や小売り、ベンチャーなど、多くの日本企業が上の条件に当てはまる可能性がある。
この報告書には、「組織の構造、事業内容及びサプライチェーン」「奴隷と人身売買の行われるリスクのある事業とサプライチェーンの部分、及びそのリスクを評価し、管理するためにとった措置」などの項目も含まれ、取締役会が承認し、経営トップが署名しなければならない。」
当サイトでも、英国のデロイトのシニア・マネジャーが人身売買の罪で有罪になった事件を取り上げました。
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日本でも、外国人労働者がパスポートを取り上げられ、給料もほとんど支払われず、狭いアパートに押し込められ、強制的に働かされているというような話が、ときどき報道されています。将来的に、英国と同じような法律ができるかどうかはわかりませんが、大きな社会問題ではあります。
(極端な長時間残業で過労死や自殺に追い込むというのも、奴隷労働の一種でしょうから、そのうち、そういう会社との取引は避けようという動きになるかもしれません。)
「残業100時間で過労死は情けない」 教授の処分検討(朝日)
「投稿したのは、グローバルビジネス学科の×××××教授。東芝で財務畑を歩み、ニトリなどの役員を歴任した後、昨年から同大教授を務める。」
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