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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

リストラ誘発しかねない再就職助成金 支給要件厳格化へ(朝日より)

リストラ誘発しかねない再就職助成金 支給要件厳格化へ

従業員の再就職を支援する「労働移動支援助成金」の支給要件が厳格化されるという記事。

「支給要件を見直すのは雇用保険を財源とする「労働移動支援助成金」。企業が雇用を維持できない状況になった場合、労働者を速やかに再就職させるため、再就職支援を人材会社などに委託すると企業に支給される。委託時に10万円、6カ月(45歳以上は9カ月)以内に再就職が実現すれば委託費用の一部が支払われる。上限は1人につき60万円。

厚労省が問題視しているのは、人材会社の関与だ。事業効率化を考えている企業に、人材会社が人員削減の手法を提案。上司が部下に退職を促す方法などを無料でアドバイスする。退職者の再就職支援は、同じ人材会社が引き受け、助成金が流れているという。「アドバイスは無料だが、最終的な利益は人材会社に入る仕組みだ」(厚労省幹部)。この仕組みだと人材会社の利益のために、必要以上のリストラが誘発されかねない。」

「人材会社が関与したケースでは、企業が評価の低い「非戦力社員」をリストアップし、退職を迫っていた例があった。退職を勧めること(退職勧奨)自体は合法だが、何度も強く迫るなど強要すれば違法だ。退職を強要したと受けとられかねないような迫り方で、厚労省も雇用の安定を図る法の趣旨に照らして「問題なしとは言えない」(担当者)として、防止策を検討する。」

助成金はもらっていないとは思いますが、大手監査法人のリストラの際にも人材会社が関与していたようです。今度リストラをやるときには、法令順守でやってほしいものです。

「〈国学院大・本久洋一教授(労働法)の話〉 本来は規制すべき退職勧奨を助成金で国が後押ししているようなものだ。企業が社員の再就職を人材会社に丸投げし、助成金を支給する形では、人材会社が得をするだけ。助成金が何にどう使われているかを調べるモニタリングも不十分で、無責任な支援策と言わざるを得ない。

そもそも新卒一括採用や終身雇用が根強く残る日本で、人材の流動化を進める政策は合わないのではないか。外見だけ流動化を進めようとしても、流動化が進む欧米とは似て非なるものになるのは当然だ。」

ますますグローバルネットワークの影響力が強まりつつある大手監査法人で、今後、どういう人事政策をとっていくのでしょうか。監査の品質にも影響する問題です。

「ローパー」社員に退職勧奨 人材会社がノウハウ(朝日)
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