大阪市の明浄学院高校という高校を運営する学校法人「明浄学院」で、不動産会社に預けていた21億円が確認できない状態になっているという記事。
「発表によると、学院は高校の土地を一部売った資金などで、総工費約85億円の校舎建て替えを計画。2017年7月、大阪市の不動産開発会社に高校の土地の半分(約7000平方メートル)を約32億円で売却する契約を結んだ。学院は同月、手付金21億円を受け取り、残る半分の土地に校舎を建て替える資金として、土地売買を仲介した吹田市の不動産会社に預けた。
同社が学院に出した「預かり証」では、資金は校舎建設以外に流用できず、学院の決算時に21億円の存在が確認できる残高証明を提出する取り決めがあった。今年6月に就任した西和彦理事長は、金融機関の残高証明が一度も出されていないため、同社に求めたが、今月20日の期限までに提出されなかった。同社は学院に、「残高証明は間に合わない。21億円は用意できる」と説明しているという。」
2018年3月期と2019年3月期の計算書類監査はどうやってごまかしていたのでしょう。
建設会社に建設資金の一部を前払いするということはあり得る(その場合も工事の進捗に合わせて支払うのが普通)としても、不動産会社にこれだけの資金を預けなければならない理由は考えられません。不動産会社に預けた形にしておいて、実際は関係者が流用していたのでしょうか。
あるいは、記事から推測すると、土地の引き渡しはまだ行われていないようですから(売却の会計処理も行われていない?)、実質的には、この土地を担保にして、学校法人でない誰かが借入を行ったとみるべきかもしれません。
「学院を巡っては、前理事長の女性が理事会の決議を経ずに学院の資金1億円を流用し、暗号資産(仮想通貨)の購入に充てていたとして、6月に辞任した。」
この件とも関係があるのでしょう。
学校法人「明浄学院」前理事長が21億円を無断で外部に(MBS)
「その後、前理事長は21億円を理事会の決裁を受けずに土地売買の仲介会社に預けたということです。法人が仲介会社に問い合わせると…
「(21億円は)生きています」という答えをもらっている。「それを証明してください」と我々は言っている。それに対し「時間をくれ」と言われている」(学校法人明浄学院・西和彦理事長)」
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