会計監査に関する金融庁(たぶんその傘下の公認会計士・監査審査会)の指導が的外れだというごく短い記事。
「損失隠しが発覚した2011年のオリンパス事件以降、金融庁は監査法人に対し、監査時間の増加など、不正会計防止策を強化してきた。その中で「売上高の実在性」の検証に力を入れる「粉飾を見抜けない的外れな指導」(大手監査法人関係者)の是非が問題化している。」
監査の現場では、資産の実在性や負債の網羅性を重視してきたのに、実効性がない「売上高の実在性」検証に力を入れるよう指導するのはおかしいという批判があるそうです。
実際に、こういう指導が行われているのかどうか、また、それに対して批判があるのかどうかは、よくわかりません。
たしかに、この記事でいっているように、貸借対照表の残高を資産実在性や負債網羅性に特に気をつけながら押さえていくのは、効果的・効率的な監査だとは思うのですが、少し前までの監査では、ほとんどそれしかやっていないという弱点もあったと思います。本来は、取引の背景にある事業内容とか、数字が出てくるまでの処理過程とか、それをチェックする内部統制とかを踏まえた上で、BS中心の実証手続きをやるべきなのでしょう。
売上高にしても、よく問題になっている循環取引では、取引先と共謀しているわけですから、期末で残高確認を一生懸命やっただけでは、発見できないかもしれません。売上高を受注の段階にまで遡って、正当な契約に基づくものなのか、経済的合理性はあるかなども含めて、検証すべき場合もあるでしょう。
いずれにしても、金融庁の(監査事務所検査時の?)指導内容については、あまりオープンに議論されていないように思われます。金融庁は監査法人の経営に「開放性」を求めているようですが、金融庁の監査監督についても、もっと開放的に議論すればよいのでは。週刊誌の匿名コメントでしか出てこないのは残念です。
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