不公正な税制こそ格差の根源だ
学者や弁護士らが立ち上げた「民間税制調査会」を取り上げたコラム記事。
「8日、都内で民間税制調査会の旗揚げがあった。税制調査会とは、日本の税制を決める組織である。日本にはすでに政府・与党の組織が二つある。内閣府に設けられた政府税制調査会(政府税調)と、自民党税制調査会(党税調)である。
民間税調は政府と政権党に対峙する在野の税調を目指すという。設立メンバーは税制学者の三木義一・青山学院大教授、元財務官僚で財政学者の田中秀明明治大学教授、マクロ経済のエコノミストで「資本主義の終焉と歴史の危機」の著者でもある水野和夫日大教授、租税問題の論客として参議院で活躍した峰崎直樹元財務副大臣、国際租税の専門家・志賀櫻弁護士の5人。旗揚げには学者や税務関係者など200人が集まった。」
メンバーである志賀弁護士の発言。
「「多国籍企業や富裕層は資産を海外のタックスヘイブンに移し、巧妙に税金を逃れる。真っ当な納税者の負担は重くなるばかりだ」
岩波新書「タックスヘイブン」の著者である志賀弁護士は指摘する。」
「「タックスヘイブンには20兆ドルとも30兆ドルともいわれえる資金が集まり、各国の統計に出ない裏の取引が世界規模で行われている。マネーゲームがバブルをあおり、弾ければ大銀行は税金で救済される。課税逃れの不始末を真っ当な納税者に追わせている」
志賀は国際租税課長も務めた元大蔵官僚。英国に駐在し金融市場の裏側を知り、金融庁では特定金融情報管理官として国境を越える資金の流れを監視する国際会議を飛び回った。この分野では日本で突出した専門家である。
「タックスヘイブンは英国の諜報機関であるMI6が女王の属領を使って表に出せない工作資金を作ったことが始まり。ロンドン、NYの金融市場と密接な関係にあり、金融資本の儲け口になっている。監督者と脱法者が混然一体となった世界でもある」
政府税調や党税調が及び腰な「資金逃避」にメスを入れたい、という。」
監督者と脱法者だけでなく、4大会計事務所も深くかかわっているのでしょう(違法なことはやっていないと思いますが)。
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タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書) 志賀 櫻 by G-Tools |
21世紀の資本 トマ・ピケティ 山形浩生 みすず書房 2014-12-09 by G-Tools |