東証2部上場の広島ガスが、子会社2社の架空取引によって、連結売上高572億8千万円、同経常利益15億8300万円が不正に水増しされていたと発表したという記事。
「不正は広島ガスの連結子会社の広島ガス開発(事業譲渡手続き中)と広島ガスリビングを舞台に、手形の架空循環取引により行われた。訂正したのは09年3月期まで5年間の決算で、売上高、経常利益とも99~08年度分としている。」
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今年3月に公表済みの不正です。
過年度の決算短信等の一部訂正について(PDFファイル)
監査法人による過年度の監査が終了し、平成17 年3 月期から平成21 年3 月期までの5 期間についての有価証券報告書などの訂正報告書も提出したようです。
純資産への影響額は2008年3月期が最大で、約13億円です。2009年3月期で循環取引損失という損失が3,356百万円計上されており、内訳は「循環取引損失引当金繰入額として
1,369百万円、循環取引損失として2,364百万円」だそうです。過年度修正損ではなく、循環取引を2009年3月期以降に清算した(する)ことにより、新たに発生した損失ということなのでしょう。13億円の利益水増しのために、33億円も実損失を出したということになりますが、いかに割に合わない取引かということがわかります。
過年度決算の監査については少し気になる記述があります(訂正前の09年3月期決算短信)。
「過年度連結財務諸表等の訂正事項に関する監査については、平成18年度及び平成19年度は、当該期間の監査を行ったあずさ監査法人により監査を受けております。平成17年度以前については、当時監査を行った監査法人が現在は解散しており、当該期間の訂正に関する監査を受けることができないため、西日本監査法人により監査を受けております。」
現監査人ですら監査できないのに、当時の監査人でもない全く別の監査法人が監査できるというのは少し不思議な感じがします。
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