会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「四半期開示なし,J-SOXなしで上場コストを低減」,東証の新興市場「TOKYO AIM」の担当者に聞く

「四半期開示なし,J-SOXなしで上場コストを低減」,東証の新興市場「TOKYO AIM」の担当者に聞く - 産業動向オブザーバ - Tech-On!

東証が設立準備を進めているプロ投資家向けの新たな証券取引市場「TOKYO AIM(トウキョウ エイム)」の担当者へのインタビュー記事。今年春ごろには上場第1号が出ることを期待しているそうです。

「証券取引所を開設するには,金融庁から免許を取得する必要がある。2009年3月中にはこの免許を取得し,2009年4月には指定アドバイザー(J-Nomad)の認定,早ければ2009年春ころには第1号の上場企業が出ることを期待している。」

「――TOKYO AIMは,上場基準を緩めたことになるのか?

伊藤氏 規制を緩めた市場ということでは決してない。四半期決算の開示が必要ないとはいえ,年2回の決算開示は依然として必要だ。また,J-SOXに沿った報告は必要ないにしても,内部統制自体は企業にとって普遍的に必要なものだ。・・・

ただし,そうはいっても現在の他の証券取引市場は近年,上場のハードルや上場後のランニング・コストがあまりに高くなってしまっている傾向がある。・・・TOKYO AIMでは上場後もJ-Nomadが継続的に上場企業をサポートすることで,継続的に資金を調達できる場となることを目指している。」

「――どのような企業が上場の候補になるのか?

伊藤氏 上場コストを低減したといっても,創業直後のシード段階のベンチャー企業が上場するのは現実的ではないだろう。TOKYO AIMに上場するには,監査法人による直前年度の監査証明も必要になる。基本的には,ベンチャー・キャピタル(VC)が数社,株主として入っており,そこからさらに資金調達を拡大しようとする企業が対象になるだろう。レイター段階のVCが入ってくる段階が相当する。当面は東証マザーズなど他の市場への上場準備を既に進めていた企業が,TOKYO AIMへの上場候補になるだろう。」

プロ向けとはいえ規制が緩い市場を新たに作るぐらいなら、四半期開示やJ-SOX導入の際に、法令上、市場によって、導入を選択できるようにすればよかったのではないでしょうか(この担当者の責任ではありませんが)。

「――TOKYO AIMでは海外,特にアジア地域のベンチャー企業の上場も呼び込む狙いのようだ。海外のベンチャー企業がTOKYO AIMに上場するメリットとは何か?

伊藤氏 ・・・

 TOKYO AIMでは,こうした海外のベンチャー企業が上場しやすいよう,情報開示の言語も日本語だけに限定せず,英語でも可能とした。また会計基準についても,東証1部/2部や東証マザーズでは日本の会計基準に準じて開示する必要があるが,TOKYO AIMでは国際会計基準や米国基準なども受け付ける。さらにJ-Nomadや公認会計士が認めた独自の会計基準での開示も可能だ。」

独自の会計基準というのが気になりますが、IFRSや米国基準ではない外国の会計基準でもよいということでしょう。日本の中小企業会計指針ではダメだと思いますが・・・。

海外の会社を上場させるのであれば、監査人がどの会計事務所かについても、取引所や証券会社はよく見る必要があるでしょう。米国のマドフ事件でもはっきりしたように、海外の会計事務所もピンからキリまであります。

TOKYO AIMのホームページ
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