ステークホルダーの皆様へ(このページからダウンロードできます。説明書類への直接のリンクはできないようになっているようです。)
監査法人トーマツは、2024年5月期の「業務及び財産の状況に関する説明書類」を、2024年8月6日に公表しました。
まず、売上高。
前の期と比べて、ほぼ横ばいです。
監査証明は、6%ほど増えていますが、非監査が大きく減っています(約9%減)。
減った理由は明確には述べていませんが、事業再編が関係しているのかもしれません。
「2023年12月1日付で、当法人内にあるリスクアドバイザリー事業本部の一部の組織・機能を子会社のデロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社に移転させ、その後の追加的な資本関係の見直しにより、同社を当法人が直接持分を保有しない、デロイト トー マツ グループ内に並列する会社(2023年12月4日付で合同会社に変更)としております。」(2ページ)
分離した部門の半年分の売上が、監査法人の売上から外れたということなのでしょう。(次年度も同じくらい減る?)
それにしても、ビッグ4は合同会社が好きなようです。
デロイト トーマツ リスクアドバイザリーの株式は、社員に現物配当したそうです(社員資本等変動計算書より)。
損益は...
売上が横ばいなのに、業務費用が約10億円増えて、営業利益は大幅減、さらに前の期に約13億円あった受取配当金がほぼなくなったので、税引前で24億円の減益です。
事業再編関連の損益は計上されていないようです(簿価で処理?)。
業務費用の内訳を見ると、
人件費は、報酬給与が約18億円増えています。
グループ分担金(114億円)やIT業務分担金(45億円)は、加盟している国際組織への上納金でしょうか。
日本全体でグローバルIT企業などへの大きな支出(しかもなかなかやめられない)が、円安の原因の一つともいわれているようです。監査法人業界も、全額が国外流出ではないのでしょうが、基本的には同じ構図なのでしょう。
もちろん、個々の監査法人からすれば、支払いに見合ったノウハウ、ブランド力、国際水準の諸サービスを得られているのでしょうから、経済合理性はあり、別に損はしていないのでしょう。企業や個人が、マイクロソフト、グーグル、アマゾンなどのサービスを喜んで利用しているのと同じです(やめたくてもなかなか抜けられないという点も同じ)。
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「桑子 真帆キャスター:
海外IT大手への依存が、日本企業で高まっているわけですけれども、この状態は、“デジタル小作人”とも言われています。海外のシステム、つまり、畑で、自分たちのサービス=作物を作るという構造ですけれども、サービスを利用する私たちにとっては、さまざまな恩恵を受けているんですけれども、この状態が続くことが、果たして問題なのか。」