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コロナ禍の「雇用調整助成金」不正受給公表は516社(519件)、受給総額は163億円(東京商工リサーチより)

コロナ禍の「雇用調整助成金」不正受給公表は516社(519件)、受給総額は163億円

新型コロナ対策の雇用調整助成金等の不正受給は、公表された分だけでも516社、163億円もあるという記事。

「新型コロナ感染拡大に伴う雇用維持のため、従業員への休業手当を助成する「雇用調整助成金」(以下、雇調金)等を受給した企業のうち、虚偽申請などにより不正に受給したとして公表された企業が全国で516社(うち、2回公表は3社)不正受給金額は総額163億2,020万円に達することがわかった。」

「個別の不正受給519件の内訳は、「雇調金」だけの不正受給が286件で、ほぼ半数(55.1%)を占めた。そのほか、パートやアルバイトなど雇用保険被保険者でない従業員の休業に支給される「緊急雇用安定助成金」だけの不正受給が80件(15.4%)。両方の助成金を不正受給した企業は153件(29.4%)と約3割を占めた。」

助成金の規模はどのくらいだったのか。

「特例措置を適用した緊急対応期間(2020年4月-2022年11月)と経過措置期間(2022年12月-2023年3月)に支給決定した雇調金等は6兆3,507億円に及ぶ。」

社名公表されたのは、516社ですが、それは、不正受給の一部だそうです。

「虚偽の申請で実際に支払っていない休業手当を雇調金として不正受給した企業が後を絶たず、2023年3月末時点で全体の不正受給件数は1,524件だった。そのうち、不正受給額が100万円を超えたり、悪質と判断される場合は社名や代表者名、金額などが公表される。」

これから摘発が活発化するようです。

「特例措置の終了に伴い、各都道府県労働局は支給申請状況の調査に力を注いでおり、不正受給と公表企業は今後も増えるとみられる。」

上場会社もかなりの数の会社が、助成金に頼っていました。不正も何件か発覚しています。

雇調金特例活用は上場企業の約2割、869社に 支給金の返還は7社、うち「不正・過誤申請」が6社 ~第13回上場企業「雇用調整助成金」調査~(東京商工リサーチ)

「新型コロナ感染拡大に伴う雇用支援策として2020年4月分から適用された雇用調整助成金(以下、雇調金)の特例措置制度が今年3月末で終了した。上場企業3,930社(2023年6月26日時点)のうち、2割超(22.1%)の869社に雇調金が支給されたことがわかった。2020年1月、新型コロナ感染が日本国内で初めて確認されて以降、大きな打撃を受けた外食やサービス、小売、交通インフラ、観光などを中心に、雇調金の活用で雇用維持に努めた。一方で、雇調金を返還(一部を含む)した上場企業は7社判明したが、うち3社は不正によるものだった。

雇調金の特例措置を活用した上場企業は869社あり、3年間の支給額は累計9,427億4,580万円と1兆円近くにのぼった。3年間の支給額が合計100億円以上は18社あった。」

助成金の返還は...

「上場企業の開示資料で、雇調金の返還を行った企業は7社判明した。内訳は、労働局から不支給決定などが下りて判明した「不正申請」と、自社調査で判明し自主返還を行った「過誤申請」が各3社で並んだ。

また、労働局側の支給ミスによる誤配での返還が1社あった。」

労働局が、調査を強化しているとすると、上場会社でも、これから新たに不正発覚、(重要性があれば)過年度決算訂正という例が、まだ出てくるのかもしれません。

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