会社法改正案(臨時国会に提出されるとのことです)で、企業の役員が業務上の賠償責任を負った際に、弁護士費用や賠償金をその企業が補償できると明文化するという記事。
「近年はコーポレートガバナンス(企業統治)の強化や、訴訟手数料の引き下げで株主代表訴訟が増えている。役員が訴訟に巻き込まれれば、弁護士費用や損害賠償金が必要になる。いまも企業が費用を負担し、賠償に備えて保険契約を結ぶことができるが、違法と訴えられかねないリスクがあった。法的に裏付ければ、企業も役員にも安心な制度になり、優秀な人材を確保しやすくなる。
改正案は企業が補償をするための手続きを規定する。企業と役員が結ぶ補償契約について取締役会か株主総会の決議を求める。補償の概要は事業報告で開示しなければならない。役員に故意や重大な過失があった場合は補償の対象外とする。」
会計監査人も、一応、会社の機関という扱いで、株主代表訴訟の対象ですが、この改正の対象にもなるのでしょうか。会計監査人は会社から独立した存在であるはずであり、なれあって会社が会計監査人への訴訟をやらないということは考えにくいわけですから、そもそも、株式代表訴訟の対象とすべきではないのですが、だからといって、訴訟費用や賠償金を会社に負担してもらうのでは、かえって独立性が損なわれてしまいます。
会社法改正関係の資料。
↓
法制審議会第183回会議(平成31年2月14日開催)(法務省)
「2 会社法制(企業統治等関係)部会長から,諮問第104号について,同部会において決定された「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」及び附帯決議に関する審議結果等の報告がされた。
審議・採決の結果,同要綱案及び附帯決議は,全会一致で原案どおり採択され,直ちに法務大臣に答申することとされた。」
「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」(平成31年1月16日決定)(法務省)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

株主総会の3週間前に有報を提出する事例
倒産・注目企業情報 クレイトン・ダイナミクス(株)ほか2社 2社の負債合計約39億5600万円(東京商工リサーチより)
2024年度の「不適切会計」開示は67社・67件 4年連続で増加、業種別では製造業が最多(東京商工リサーチより)
日経の牙城に挑む/「読売333」はどうなるか/魅力ある投信設定が普及の鍵(FACTAより)
PwCの調査レポート「Value in Motion」:AIの導入は世界経済を再構築し、2035年までに全世界のGDPを15%押し上げる可能性を示唆(PwC Japanグループ)
サステナビリティ基準がわかる(日経文庫)(日経BOOKプラスより)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事