破綻した船会社への融資に絡む銀行過剰接待問題の続報。
銀行側は、傭船期間が、融資したときの話より実際には短かったと主張しているそうですが、実際の傭船期間を銀行は知っていたという証拠のビデオがあるそうです。
「三菱は「UOGが傭船契約を偽造していた。実際の傭船期間や傭船料を知っていれば融資しなかった」と主張。一方、UOG側は「三菱の担当者に『実際の傭船期間は10年や15年だが、20年にしておこう』などと言われ提出した」と反論していた。
「週刊文春」は、2008年に開かれた自動車船LORD VISHNU号の命名引渡式のビデオを入手した。同船は、UOGが日本郵船と傭船契約を結び、三菱が造船費を融資していた。現在、三菱は、傭船期間を実際は「15年」なのに「20年」と虚偽申告されたと主張しているが、ビデオでは、挨拶に立った日本郵船の自動車船グループ長が、当時の三菱の木村高志常務、I新橋支社長やY前支社長など居並ぶ三菱幹部を前に、こう述べている。
「(傭船期間は)15年の長期にわたる契約でございます。その船をシャルマさんから弊社が1日ウン万ドルでお借りする、15年間、このウン万ドルの世界というのは、私どもとシャルマさんと三菱東京UFJ銀行さんだけの秘密でございます」」
詳しくは週刊文春をご覧ください。(最新号はまだ本屋に並んでいませんでしたが、前の週の号では、KPMGがちらっと登場するなどしています(不正には関係していません)。)
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三菱UFJ銀、国債入札資格の返上発表(日経)
週刊文春 2016年 7/21 号 [雑誌] 文藝春秋 2016-07-14 by G-Tools |
新聞広告をみるとごく短い記事のようです。メインは先週号(7月14日号)なのでしょう。
(補足)
こちらの記事はバランスがとれていると思います。
三菱東京UFJはダマされたのか〜対インド人社長「常識外れの裁判バトル」の行方(現代ビジネス)
「シャルマ氏は、一方的に攻められていた。昨年7月の発覚以降、三菱UFJは周到に準備して倒産に追い込み、シャルマ氏を破産させ、おそらくは金融機関サイドの情報リークで、書類偽造をマスコミに暴露された。
ここからシャルマ氏は反撃に出る。自らを原告とし、三菱UFJを被告とする訴訟を起こしたのは3月30日である。その後、信頼できる筋を使って、複数のマスコミ関係者に接触、「三菱UFJの非」を訴えていた。それが成就したのが『週刊文春』の記事だった。
確かに、記事の効果はあり、窓口の新橋支店長、担当部長などの呆れたたかりや、契約書もなしに150億円を振り込んだ過去は、「傭船期間も傭船料も新橋支店担当者のいいなりだった」というシャルマ氏の言葉に信頼性を与えた。
だが、週刊誌を使った反論や民事訴訟では、「書類偽造」という証拠を突き崩すことはできない。三菱UFJは、社内調査のうえで問題行員は処分するという。同時に、銀行全体で詐欺被害にあったのか、あるいは一部行員が取り込まれて不正融資に加担したのか。刑事告訴して明らかにすべきだろう。」