大手遊技機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(ジャスダックに上場しているようです)が、フィリピンの高官に多額の接待を行っていたという記事。そのほか、関係者への巨額送金疑惑もあるそうです。
「フィリピンでカジノリゾート開発を目指している大手遊技機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(本社・東京、UE社)が、カジノ免許の許認可権を持つフィリピン政府高官らに対し中国・マカオや米国・ラスベガスのホテルで接待を繰り返していたことがわかった。」
「観光の目玉となるカジノ計画はフィリピンの国家的プロジェクト。UE社は08年8月にカジノ営業の暫定免許を受け、現在は正式免許の認可待ちだ。この接待問題とは別に、UE社側が賭博公社顧問だった人物側に1500万ドル以上の巨額送金をしていたことも判明し、フィリピン国会は公聴会を断続的に開いてUE社関係者や公社幹部を追及する事態となっている。年明けにはUE社の岡田和生会長も公聴会に呼ぶ予定だ。
UE社による接待は、同社と現在は敵対関係にある世界的なカジノ経営会社ウィン・リゾーツ社(本社・米ネバダ州)が今年2月に公表した調査報告書で発覚。朝日新聞はこの調査報告書をもとに日米比の関係者にあたり、裏付け取材を進めた。
報告書によると、米国に子会社があるUE社側による接待は、外国公務員への金銭の提供や高価な物品の提供を禁じた米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)に違反する可能性が高いという。・・・」
「監査人は企業の違法行為の防止に対して責任は負わず」(監査基準委員会報告書250)とされていますが、他方「監査人は、違法行為を識別した又はその疑いがある場合、法令に基づき、規制当局等に対し報告する責任があるかどうかを判断しなければならない」(同上)(その前段階として監査役への報告などもある)ほか、当然、その違法行為が財務諸表に重要な影響を及ぼすおそれがある場合には十分な検討が必要になります。
法令順守の問題だから監査には影響ないとはいえないでしょう。
海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act:FCPA)(KPMG)
「日本におけるSEC登録企業や米国において事業を展開する日本企業等では、FCPA違反をしないための対策を講じる必要があるものの、同法の適用範囲等の詳細についての理解は、米国外の企業関連当事者等に深く浸透していないために、FCPA違反リスクをかかえたままの無防備な状況にあるといえます。」
海外腐敗行為防止法(FCPA)・英国贈収賄防止法(UK bribery Act 2010)の影響の考察 第1回「海外汚職防止規制の動向」(トーマツ)
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