東芝が「ウェスチングハウス(WH)」関連の資産価値を2015年度中にも引き下げ、損失計上することを検討しているという記事。
「東芝は06年にWHを買収したが、東日本大震災に伴う原発事故が起きた11年以降、原発の新規受注はできていない。」
「損失計上の対象になっているのは「のれん代」と呼ばれる無形資産の一種。15年9月末時点で、東芝のWH関連ののれん代は3441億円ある。WHは12〜13年度に原発の新規建設事業などの収益性が低下したとして、計約13.2億ドル(現在の為替レートで1600億円弱)の損失を計上した。しかし、親会社である東芝の連結決算では既存原発の保守点検や燃料など他事業も含めると原発事業は「堅調」と判断し、損失計上を見送った。」
「損失計上した場合の金額は、WHの損失計上(1600億円弱)と同規模との見方もある。」
減損処理をやるとすれば、第3四半期か年度決算ということになります。今まで、グルーピングを大きくして減損処理を免れてきたわけですから、いまさら、小さなグルーピングでやるわけにもいかないでしょう。「新規受注はできていない」という実績を重視して、事業全体の見積もりを厳しくするということでしょうか。それでも、なぜ今期やるのか(前期までにやらなかったのは粉飾ではないか)という世間一般の疑念を晴らす理屈がないといけません。
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監査人の方は個人の処分まで終わったのに、粉飾の張本人である経営者個人の処分は、これから「検討」するというのは、順序が逆でしょう。処分しやすいところから処分するという金融庁の安易さの表れです。
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