IT業界で横行している架空循環取引にからむ不正取引事件を取り上げたコラム記事。
「大半の企業はまともなビジネスをしている。あえて言えば、発端は商社系、メーカー系の機器販売ビジネスに根ざすものが主であり、ソフトウエア開発やSIビジネスを専門とする企業は、主導的にやったり、慣行でやっていたりするわけではない。」
という結論ですが、たしかにそのとおりだと思います。加ト吉の循環取引(週刊誌の記事を読むと関係者の話の中で「ぐるぐる取引」といっていました)をみてもわかるように、通常の取引の中に商社的な取引(伝票だけの取引)が混在してくると架空取引のリスクが高まるというのは、IT業界に限りません。
とはいっても、IT業界で架空取引事件が多く発生しているのは否定できません。取引内容の変化が激しくて、正常な取引と異常な取引の見極めが管理部門でできなくなっているのでしょうか。それとも、そもそも内部管理が甘いのでしょうか。
「架空取引事件に巻き込まれたかのように被害者を装うIT関係各社も、正しくコンプライアンスに沿った行動基準を適用すべきだ。今回のFKSとNAJの事件では、私自身の友人が関係していたため見せてもらったが、関与を否定している日本を代表する大手通信会社の社判が押されていながら、検収期日が記載されていないNAJ宛の検収書が存在していた。」
こうした話を読むと、発注、検収、仕入、支払というサイクルの内部統制が形骸化していることが懸念されます。J-SOXを(会計士以上に)商売のタネにしているIT業界ですが、まず自らの内部統制をしっかりしてほしいものです。
関連記事
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
(訂正)「2024年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正(キャンドゥ)
調査委員会の調査報告書に関するお知らせと再発防止の取り組みについて(保険代理店手数料売上の会計処理関連)(アドバンスクリエイト)
甲府の不動産会社3億円超の所得を隠し脱税か 東京国税局(NHKより)
過年度有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度決算短信訂正に関するお知らせ(インドネシア子会社の棚卸資産水増しの訂正など)(ファインシンター)
新規開拓狙う地銀の「越境融資」、粉飾見抜けず相次ぐ詐欺被害…金融庁が審査の厳格化求める(読売より)
たたき上げ社長の過ち コンサルに従い粉飾 プロルート事件 「自分の代で潰すわけにはいかない」(日経より)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事