会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

またも発覚した不正会計――業界「慣行」と言われるのは心外だ

またも発覚した不正会計――業界「慣行」と言われるのは心外だ〓ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS

IT業界で横行している架空循環取引にからむ不正取引事件を取り上げたコラム記事。

「大半の企業はまともなビジネスをしている。あえて言えば、発端は商社系、メーカー系の機器販売ビジネスに根ざすものが主であり、ソフトウエア開発やSIビジネスを専門とする企業は、主導的にやったり、慣行でやっていたりするわけではない。」

という結論ですが、たしかにそのとおりだと思います。加ト吉の循環取引(週刊誌の記事を読むと関係者の話の中で「ぐるぐる取引」といっていました)をみてもわかるように、通常の取引の中に商社的な取引(伝票だけの取引)が混在してくると架空取引のリスクが高まるというのは、IT業界に限りません。

とはいっても、IT業界で架空取引事件が多く発生しているのは否定できません。取引内容の変化が激しくて、正常な取引と異常な取引の見極めが管理部門でできなくなっているのでしょうか。それとも、そもそも内部管理が甘いのでしょうか。

「架空取引事件に巻き込まれたかのように被害者を装うIT関係各社も、正しくコンプライアンスに沿った行動基準を適用すべきだ。今回のFKSとNAJの事件では、私自身の友人が関係していたため見せてもらったが、関与を否定している日本を代表する大手通信会社の社判が押されていながら、検収期日が記載されていないNAJ宛の検収書が存在していた。」

こうした話を読むと、発注、検収、仕入、支払というサイクルの内部統制が形骸化していることが懸念されます。J-SOXを(会計士以上に)商売のタネにしているIT業界ですが、まず自らの内部統制をしっかりしてほしいものです。

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