「鵜の岬」という茨城県日立市の国民宿舎で、料理の食材費を実際よりも低く見せるため、食材の在庫量を過大に報告していたという記事。
「公社によると、今月に外部監査人が調査したところ、台帳上は900キロあるはずの冷凍肉が実際には60キロほどだったり、2千キロあるはずの魚が100キロしかなかったりといった事例が次々と見つかった。架空計上分は8月末時点で7088万円にのぼった。」
魚の在庫が2トンもあることになっていたら、わかりそうなものですが・・・。不正の手口としては古典的です。
また、不正の動機は食材の原価率を目標まで引き下げるためだったそうです。
「鵜の岬は全国122の公営国民宿舎の中で22年連続で宿泊利用率が1位。一方、公社は県からの収支改善要求を受け、食事の売上高に占める食材費の割合を07年度の43.1%から08年度は41.5%に引き下げる目標を立てていた。
前管理課長は仕入れ担当者に食材費引き下げを求めたが、現場の料理人らは「質を落としたくない」と反対。実際には食材を使い切ってしまっているのに、残っているように経理処理し、結果的に原材料費が下がるように見せかけていた。課長は「目標達成のプレッシャーを感じていた」と話しているという。」
架空在庫で原価率が改善されるのは1期だけです。毎年、原価率を実際より良くしようとすれば、架空在庫の金額はだんだん増えていきます。記事によれば、この国民宿舎でも、架空在庫は09年度末時点で3416万円だったものが、7千万円強まで膨らんでしまいました。
経営的には、原価率を下げて料理の質が落ち、客室の稼働率がそのために悪くなってしまえば、元も子もないわけですが、だからといって、粉飾が容認されるものでもありません。
「鵜の岬は昨年度から年2回、外部監査が行われ、台帳の数字はチェックされていたが、実際の在庫量は確認されていなかった。」
棚卸立会が大事だということでしょうか。
鵜の岬のサイトより
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900キロの食肉や2千キロの魚は、このランチの何人分なのでしょう。
人気国民宿舎「鵜の岬」で不適正経理 食料在庫7000万円水増し(東京新聞)
「八月末に在庫額が膨らんでいることが発覚し、ツ月三~ツ日に公認会計士らが調査していた。架空の仕入れや在庫の外部流出はなく、同公社が運営する他の二施設も問題はなかったという。」
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