昭和60年に会社更生法の適用を申請し、当時、戦後最大の経営破綻となった三光汽船が、「事業再生ADR」を活用した私的整理を行う方針であるという記事。
「世界的な海運不況に加え、円高や原油高騰の影響で資金繰りが悪化した。同社は昭和60年に会社更生法の適用を申請し、負債総額5200億円と当時としては戦後最大の経営破綻となった。
同社は平成10年に更生手続きを完了し、事業を縮小して業務を続けてきた。しかし、再び苦境に陥り、平成23年3月期決算では、141億円の最終赤字を計上していた。海運業界では、コンテナ船の供給過剰で運賃が大幅に下落し、大手海運会社も軒並み最終赤字となっている。」
三光汽船の2011年3月期の決算(単体)をみると、たしかに赤字ではあるのですが、純資産は1,170億円もあり、自己資本比率は68%と良好な数値です。
しかし、海運会社は海外の子会社で船舶を保有するようですから、連結ではまったく違う財政状態なのかもしれません。また、船舶を借りて運航する形態もあると思われますが、それも、現行ルールではオフバランスなのかもしれません(船舶は約130億円しか計上されていない)。
また、貸借対照表では、「関係会社用船損失引当金」と「用船契約等損失引当金」という科目で110億円以上引当てがなされています。
ちなみに、この会社の住所は、大手監査法人の一つとビルが同じです。
三光汽船決算情報
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