【独自】大阪府咲洲庁舎の賃料未払いホテル、経営会社社長ら2人逮捕…差し押さえ逃れで900万円隠した疑い
大阪府の 庁舎に入居しているホテルの経営会社の社長ら2人が、強制執行妨害目的財産損壊容疑で逮捕されたという記事。
ホテルは賃料を滞納していて、大阪府に起こされた訴訟で、賃料支払いと明け渡しを命じる判決が確定していました。
ホテルの宿泊代金を、別会社の口座に入金するよう細工していたそうです。
「事件では、××容疑者(ホテル経営会社社長)の知人が代表を務め、休眠状態だったコンピューター販売会社の法人口座が悪用された。××、××両容疑者は昨年7月、この会社の名前を「さきしまコスモタワーホテル」に変更し、××容疑者を社長とする法人登記を行い、口座名義も併せて変更した。××容疑者らは、差し押さえを免れつつ、旅行予約サイトからの宿泊料金入金を維持しようとしたとみられる。」
宿泊代金を支払った側は、債務の弁済が有効かどうかという点で、リスクがありそうです。
大阪府とホテルの取引の経緯は...
「ホテルは2019年1月に開業し、咲洲庁舎(55階)の7~17階に入居。××容疑者らは府と月額約3500万円の賃貸借契約を結んだが、19年11月以降、賃料を支払わず、府が20年7月に契約解除を通知した。」
この庁舎の近くの有名ホテルの経営が代わったりしているので、ホテルをやるには、そんなによい立地ではないのでしょう。そもそも、入居者が集まらなかったので、大阪府が庁舎を移したのでは。空きフロアに逆戻りなのでしょう。
大阪府咲洲庁舎入居のホテル代表ら逮捕 資金隠した疑い(日経)
「逮捕容疑は2023年7〜9月、強制執行による府の資産差し押さえを免れようと、宿泊代金計約900万円を別会社の口座に送金させ、財産を隠した疑い。府が24年6月に刑事告発していた。」
記事の写真を見ると、バブル期らしい建物です。
大阪府をだまそうとした事件なので、大阪府警もがんばったのでしょう。
逮捕の社長らを独自取材 26億円支払い求められるも居座る「さきしまコスモタワーホテル」大阪府の責任は(Yahoo)(カンテレ配信)
「ホテルの資産が差し押さえられるのを免れるために、宿泊代金などを別会社の口座に隠していた疑いで今回、社長らが逮捕されましたが、裁判所が支払いを命じた26億円の回収は可能なのでしょうか?
「newsランナー」のコメンテーターの菊地幸夫弁護士はこのように話します。
【菊地幸夫弁護士】「このホテル運営の会社がどういう資産を持っているかです。普通のホテルであれば、建物を強制執行、差し押さえかければいいのですが、府の庁舎ということで、中を借りているだけですから。じゃあ何があるのか、銀行預金があるのか、どうなのか。それは資産隠しという形で、どこに行ってしまったか分からないということで、実際問題では回収は極めて難しい状況なのではないでしょうか」
ホテルの未払いはオープンしてほどなくして始まりましたが、府は貸し続けていたという状況です。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「大阪府の担当者は適切な対応だったと話していますが、そもそもあのホテル運営会社に貸したこと自体、どうだったのか。入札はしていますが、本当にその会社を見定めて、きっちりした会社だったかどうかを含めて、全体の府の対応は、これで適切だったのかは問われると思います」」
テナント選びは慎重に。
また、賃料不払いで追い出しても、代わりの入居者を見つけるのもたいへんでしょうから、問題を先送りしていたのでしょう。