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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

財務リスクを監査人が明示 新制度「KAM」3月期から(日経より)

財務リスクを監査人が明示 新制度「KAM」3月期から
AOKI、減損リスク3段階 ソフトバンクG、アームのれん検証
(記事冒頭のみ)

KAMの適用が2021年3月期から始まったという記事。

「監査人が監査で注意した項目を示す新制度が2021年3月期決算から始まった。企業買収に伴うのれんや事業損失に備えた引当金など財務リスクの詳細が6月末にかけて約2400社で開示される。画一的だった監査報告書が企業ごとに多様になり、監査の信頼向上に向け一歩前進する。投資家の注目度は高く、企業との対話などで活用が広がる見込みだ。」

いくつかの事例を紹介しています(早期適用含む)。

・AOKIホールディングス(エンターテイメント事業とファッション事業の減損発生可能性)
・ソフトバンクグループ(SBG)(「ビジョン・ファンド」などの投資先の価値評価、英アームののれん)
・マルハニチロ(2020年3月期)(米国子会社減損兆候)(2021年3月期で売却損計上)
・花王(カネボウ化粧品株の評価)

などです。

監査人側の対応は...

「監査法人も体制を強化している。EY新日本監査法人はKAMの記載内容を点検する担当者160人を各企業の監査チームに配置した。「分かりやすい表現方法などを相談会で協議した」(山中彰子パートナー)。あずさの関口智和パートナーはKAMへの対応を通じ「監査プロセスの改善に取り組んだ」と話す。」

企業が直面しているリスクは、企業自身が開示すべきものです。KAMは、あくまで、監査人にとってリスクになっている事項(監査で虚偽表示を見逃してしまいそうな難しい点)について、監査人がとった対応を記載して、その会社の監査をよりよく理解してもらうためのものなのですが...。

7月1日発売です。

コメント一覧(10/1 コメント投稿終了予定)

kaikeinews
たしかに期待ギャップを拡大させていますね。
https://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/14041.html
ただ、会計士協会も、過去の会長声明(2019年7月)などを見ると、KAMについて、

「上場企業のガバナンスや開示制度の様々な取組と連動して、関係者におけるリスクに関する認識の共有により会社のリスクマネジメントの強化に資するものである」

といっています。「関係者におけるリスクに関する認識を共有」の関係者には、監査報告書利用者である投資家も含まれ、また、「リスクマネジメント」が監査上のリスクではなく会社の負っているさまざまなリスクを対象とするものだとすると、会社のリスクに関する情報提供もKAMの役割だということになりますね。

二重責任の原則といった監査論の考え方とは、少し違う面もあると、協会も認めているのかもしれません。(制度導入をプッシュするために、あえて情報提供というメリットを強調しているのかもしれませんが)
a
さっそく期待ギャップが生まれちゃってますね笑
日経の会計リテラシーのなさにはいつも困りますね
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