金融庁が、新たな自社株保有スキームに関する会計処理の検討をASBJに要求しているという記事。ASBJもその要求に応じるようです。
経営財務8月18日号によれば、このスキームは、
「中間法人や信託などのビークルを利用するもので、具体的には、会社からの拠出金や金融機関等からの借入によって従業員に付与する株式を一括取得、一定期間後に付与するといった仕組み」
だそうです。
別の報道(経理情報8月20日号)によれば、こうしたスキームを導入した企業はまだ数社しかないそうです。新しい金融商品について機動的に対応することは必要ですが、通常の使い方をしている限りでは、大きな影響を与える取引とも思えません。ASBJは金融庁やスキームを販売している金融機関の私的な会計顧問ではないのですから、重要性のない検討課題をやらせるべきではないでしょう。ほかに重要な問題はたくさんあるはずです。
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私見では、このスキームはSPCを使った架空の自社株売却(=増資)であるため、違法な取引です。仮に、取引が違法でないとしても、連結決算上、SPCは連結子会社となり、オフバランスは認められないと考えます。
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