「今の政治資金監査はザル」会計のプロが断言 総務省のマニュアルに「数字が妥当か評価しなくていい」
政治資金監査の実情について、実際に政治資金監査をやっていた会計士に聞いた記事。
「この会計士は企業を中心に20年以上の監査経験があるベテランだ。「登録政治資金監査人」として政治団体のチェックを始める際、総務省の研修に衝撃を受けた。政治資金監査では、「政治資金収支報告書や団体の会計帳簿の数字が、妥当か評価しなくてよい」というような説明が、研修資料の監査マニュアルの冒頭に記載されていた。
問題となった裏金のように、政治団体の収入はそもそも監査できない。支出はすべて点検するが、「領収書と照合し、数字が合っているかの『外形的・定型的』な確認だけでよい」というのが実態だ。」
「会計士は、今の仕組みを「ザルだ」ときっぱり。「企業監査並みに制度を抜本的に改正しなければ、再び不正は起きる」。こう力を込めた。」
後半は記者の意見。
「政治資金パーティー裏金事件の再発防止策として、自民党は政策集団(派閥)にも外部監査を拡大した。だが「ザル」と批判される監査のままでは、効果に乏しいのは明らかだ。
ある与党の関係者は「収入と支出の数字が合わない国会議員は多いだろう」と明かす。今の制度では収入は対象外で、支出も形式的な確認のみだ。監査とは名ばかりで、ガラス張りの金の流れにはなっていない。」
そのほか、元衆院議員のコメントもあります。
「監査」といっても、会計士が考える、監査基準に準拠した監査とは違うものなのでしょう。いわゆる合意された手続に近いのかもしれません(ただし、手続は依頼人との間で決めるのではなく、役所のマニュアルで決まっている)。
最近、日本税理士会連合会が、税理士の立場から、政治資金監査の改善案を公表していますが(→当サイトの関連記事)、会計士協会は、特に動きはないようです。
この東京新聞記事をもとにしています。
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政治資金規正法で義務付けられている外部監査の仕組みに大竹まこと「ザルどころか網も張っていない状態」(文化放送)