ホンダの子会社の商社で「循環取引」が行われ、売上高や利益が大幅に水増しされていたという記事。
最大150億円の損失を計上とのことです。
「子会社は、ホンダが全額出資し自動車部品などを扱う「ホンダトレーディング」(本社・東京)。エビやシラスなど水産物も扱っている。不正があったのは、業者から水産物を仕入れて、業者が水産物を必要とするときに売り戻す取引。相場を上回る高値で仕入れたり、同じ商品の仕入れと売り戻しを繰り返したりして、取引額を大きく見せかけていた。
不正取引は04年から行われ、同じ従業員が継続して取引を担当していたため、発覚が遅れたとみられる。・・・」
動機がよくわかりませんが、取引先と共謀して、実需がないのに、伝票だけで取引をぐるぐる回していたとすれば、担当者が自分の成績を上げるためだったのかもしれません。あるいは、ホンダ子会社が資金の出し手となっていた一種の金融取引だったのかもしれません。
いずれにしても、取引先との共謀があったのでしょうから、通常のチェックでは、発見は難しそうです。
取引相手がどこだったのかも気になる点です。
ホンダ 子会社が水産物「預かり在庫取引」で不適切取引 150億円の損失(産経)
こちらの記事では、水産物の仕入れ後一定の時期を経て販売するということで「預かり在庫取引」と呼んでいます。
ホンダ 150億円損失計上へ(NHK)
当社子会社における不適切な取引について(PDFファイル)
会社のプレスリリースによると、もともとの不正取引による在庫増を隠すために、買い戻し条件付きで別の会社に在庫を販売する取引も行っていたようです。少し手が込んでいます。
預かり在庫取引の例として以下のような図がついています。この取引自体は正当なものと会社は考えているようです。商社取引なので珍しい例ではないのでしょうが、在庫自体は仕入先に預けたままになっているので、操作はしやすかったのでしょう。
(プレスリリースより)
カネボウの毛布の取引と似ているような気もします。
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