会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

JVCケンウッドの取締役辞任 ビクターの損益水増しで

JVCケンウッドの取締役辞任 ビクターの損益水増しで

日本ビクター(JVC・ケンウッド・ホールディングスの子会社)の不正経理問題で、同社前社長(現JVC・ケンウッド・ホールディングス取締役)が引責辞任するという記事。

「損益の水増しは5年余りで計171億円にのぼり、2005年3月期以降の両社の決算を訂正した。」

不適切会計でビクター前社長引責辞任 損失処理額は2・3倍に修正

「JVC・ケンウッドは日本ビクターとケンウッドが経営統合して08年10月に発足。09年夏にビクターによる不適切な決算処理が発覚した。具体的には欧州のテレビ事業で未処理の営業経費が見つかったほか、在庫の評価損などの会計処理が不適切だった。」

JVC・ケンウッドのプレスリリース(PDFファイル)

不正は直接にはビクターの財務諸表に関するものですが、訂正はビクターだけでなく、統合後のJVCケンウッドの連結財務諸表についても行われています。

ビクターでは、スペイン、ドイツ、オーストリアのそれぞれ販売子会社で、販売経費の未処理や先送り、滞留債権の引当不足、製品在庫の評価損引当不足などがあったほか、本体のある事業部では子会社との取引で利益を出しながら、子会社側では費用計上していないなどの不正があったようです。

統合後の最も大きな訂正はのれんの計上額とその会計処理です。訂正前は負ののれん32億円だったものが、訂正後は正ののれん62億円となり、その正ののれんも統合した期に遡及して全額減損処理したそうです。(統合時の取得原価の配分をやり直した形になります。取得原価自体は変わらないのに、取得される側のビクターの訂正後の時価評価後純資産が目減りしたため、のれんの額が増えてしまったわけです。)
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