会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

日新電、過去決算訂正へ(日経より)

日新電、過去決算訂正へ

東証1部上場の日新電機が過年度決算に誤謬があったことを発表したという記事。

情報システムの不具合で9月末時点の棚卸し資産が約10億円過大に計上されていた。これは過年度および16年3月期の売上原価に影響するという。「7~9月期の期首残高などを確定するために必要な過年度の財務諸表の訂正などに時間がかかっている」と説明。」

この説明のとおりだとすれば、不正と誤謬の区別からすると、誤謬になるのでしょう。

会社のプレスリリース

過年度の連結財務諸表等に関する誤謬の判明及び平成28年3月期第2四半期決算発表の延期に関するお知らせ(日新電機)

「平成28年3月期第2四半期の決算手続きにおいて、当社前橋製作所固有の情報システムに不具合があったことなどにより、平成27年9月末時点でたな卸資産が累積で約10億円過大に計上されていることが判明いたしました。 過大計上された約10億円は、過年度及び当期の売上原価に追加計上することとしましたので、過年度の各利益に影響を及ぼします。」

単体決算(2015年3月期)をみると棚卸資産は約100億円です。その中のある製作所の分が約10億円間違っていたということですから、製作所単位でみればそれなりに異常な数値になっていたと推定されます。それになぜ気が付かなかったのか、また、システムの不具合というのはシステム(ソフトウェアなど)自体に問題があったのか(だとすればシステム完成時や変更時にチェックしなかったのか)、それとも運用に問題があったのかなど、いろいろ検討すべきことはありそうです。
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