goo blog サービス終了のお知らせ 

会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

四大監査法人を毎年検査 監査審査会が基本計画(日経より)

四大監査法人を毎年検査 監査審査会が基本計画(記事冒頭のみ)

金融庁の公認会計士・監査審査会が、四大監査法人の検査を毎年行う方針だという記事。

「公認会計士・監査審査会はいまの事務年度(16年7月~17年6月)の検査基本計画に、四大監査法人の検査強化を盛り込む。これまで2年に1回の検査だったが、通常検査の翌年にも指摘した問題が改善しているかを再検査する。東芝の会計不祥事を巡って金融庁が新日本監査法人を行政処分するなど、大手監査法人の監査の質が問題となったことに対応する。」

「近く、今事務年度の検査計画を公表する」そうです。

すでに今年の3月には、そのような方針が公表されています。

サイトの関連記事(「公認会計士・監査審査会検査の実効性の向上~大規模監査法人を中心に~」という報告書について)

検査で問題があれば「検査の翌年にオンサイトである立入検査により改善状況を検証することが適当」といっています。2年に1度の検査の翌年に立ち入り検査を行うということは、毎年検査するというのと同じです。(従来も検査の翌年にヒアリングはやっていたようです。)

ちなみに、この報告書では、検査での大手監査法人の指摘が多い(全体の平均と変わらない)ということを示すために以下のようなグラフを示しています。



しかし、注意書きをよく見ると、1監査法人あたりの不備指摘数となっています。大きな監査法人はそれだけ多くの会社の監査を検査するはずですから、法人あたりで見れば、大きな数字になるのは当たり前です。また、「金融機関の監査」という項目もありますが、そもそも金融機関の監査は大手が主にやっているので、大手の指摘件数はどうしても平均より多くなるはずです。それにもかかわらず、全体の平均とほぼ同じ水準(「金融機関の監査」は大手の件数の方がやや多い)ということは、1会社あたりの件数でみれば大手監査法人の指摘は全体平均と比べてかなり少ないといえるのではないでしょうか。

上場会社監査に占める大手監査法人のシェアは非常に高いので、大手を重点的に検査するという方針自体は正しいと思いますが、公的機関がこういう数字の操作をしてはいけません。

(ただし、中小監査法人は、会計士協会が検査して問題が多かった法人を中心に検査しているはずなので、指摘件数はどうしても多くなり、平均を押し上げているものと思われます。したがって、グラフで大手と比較している「全体」の指摘件数も、検査対象外を含む監査事務所全体という意味での母集団を正しく反映していない可能性があります。)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事