IASB議長の日本での記者会見の模様を伝える記事。
IFRS任意適用について。
「「日本がIFRS(国際会計基準)任意適用拡大に向けた方向性を打ち出したのは、ゴールに向けた大きなステップだと評価している」。IFRS策定主体であるIASB(国際会計基準審議会)のハンス・フーガーホースト議長(写真)は2013年5月10日、ASBJ(企業会計基準委員会)主催の記者会見でこう語った。」
「フーガーホースト議長は今回、「IFRSの強制適用と任意適用は相反するものではない」と語った。任意適用の要件が緩和されて、多くの日本企業がIFRSを実際に採用するようになれば「IFRSに対する誤解がなくなるうえ、IFRS導入に関わる様々な経験を積むことができる。結果的に、(強制適用をする場合でも)移行しやすくなる」(同)とする。」
カーブアウトについて。
「・・・フーガーホースト議長は、カーブアウトについては「世界での会計情報の比較可能性を担保するために推奨できない」と否定的な見解を示した。
IASBは5月末か6月に、世界各国でのIFRS導入状況の調査結果を公表する予定だ。「調査結果を見れば分かるが、世界の多くの国でカーブアウトしているのは大きな誤解。ほとんどの国は、IFRSをそのまま採用している。例えば、欧州でカーブアウトしているのは20の大手金融機関のみで、8000社はIFRSをフルに採用している」とフーガーホースト議長は話す。
カーブアウトは「一時的な経過措置」とフーガーホースト議長は強調した。引き合いに出したのはマレーシアの例だ。マレーシアはIFRSの「農業(IAS第41号)」以外はIFRSをフルに採用した。「マレーシア側の言い分はもっともだったので、いま措置を講じるべく作業を進めている」(同)。・・・」
当サイトの関連記事(4月開催の企業会計審議会について)
4月の審議会では、金融庁から「・・・当面検討すべき課題」という資料が提出され、任意適用要件の緩和やカーブアウトが議論されています。カーブアウトについては、金融庁資料では「個別基準を一つ一つ検討して採択するプロセスを設ける必要があるのではないか」といっているので、ひとつひとつ検討した結果、カーブアウトしないということもありうるのでしょう。
IASB議長の来日は公式にはこれが目的のようです。
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企業会計基準委員会と国際会計基準審議会の代表者が定期協議において新たな関係のあり方を確認(企業会計基準委員会)
「ASAFの第一回会合は、2013年4月に開催されており、今回の会合によって、ASBJとIASBとの間の年2回の定期協議は終了します。しかしながら、両ボードは、両者間の定期的なコミュニケーション、ASBJからIASBへのスタッフの派遣及びASBJからIASBによる調査研究プロジェクトへの貢献を通じて、今後とも密接な関係を築いていく予定であります。」
IFRSは今、どうなっているか(ITpro)
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