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パソコン1億5000万円相当詐欺で明治製菓元課長逮捕

パソコン1億5000万円相当詐欺で明治製菓元課長逮捕 - MSN産経ニュース

虚偽の発注でパソコン計約550台(仕入れ価格計約1億5300万円)をだまし取ったとして、明治製菓の課長級の従業員(47歳)が逮捕されたという記事。

「調べでは、西沢容疑者はグループ長だった平成17年11月初旬から18年11月中旬の間、取引先の理化学機器製造販売会社(神奈川県川崎市)に、明治製菓からの発注を装ってパソコンを注文し、約30回にわたってパソコン計約550台をだまし取った疑い。取引先には「大学教授にパソコンを都合したい」などと説明していた。

 西沢容疑者は発覚を防ぐため、パソコンを宅配便会社の営業所留めにしていた。仕入れ価格の7-8割で転売し、売却金の一部を虚偽発注の代金の穴埋めに使用していた。」

容疑者の肩書きからすると開発部門に所属していたようです。ライン部門と違って、管理が緩やかだったのかもしれません。

1億5300万円相当の不正ですが、換金した一部を自転車操業的に前の未払金の支払いに充てていたとすれば、仕入先からの督促を押さえることができ、すぐには発見できないかもしれません。しかし、それも続かず「取引先に代金が振り込まれなかったことから犯行が発覚」という結果になったようです。

内部統制の教科書的には、購入取引フローの最初である発注の段階でチェックをかけるべきであったということになりますが、会社の通常の処理フローの外で勝手に発注していたとすれば、防止は難しそうです(パソコンとプリンターを使えばもっともらしい注文書を作るのは簡単でしょう)。

詐欺:会社納入のパソコン売却 因幡電機の元社員2人逮捕

こちらのケースでは、会社の購入・支払の処理ルートにはのっていたようです。

「調べでは2人は、同社名古屋営業所の営業課員だった04年6月ごろ、大阪市内の商社にパソコン12台(計410万円)を納品させ、名古屋市内の中古品買取業者に約3分の2の価格で売却する手口で、同年12月に因幡電機からパソコン購入代金をだまし取った疑い。

2人は00年10月~06年9月の約6年間に、同様手口でパソコン約560台をだまし取って売却し、約9600万円を得ていたとみられる。商社には、パソコンの代金名目を、現場に直接運ばれて不正が発覚しにくい光ケーブルなどに変更してもらっていた。」

たぶん光ケーブルなどを販売したことにして得意先への架空売掛金が計上されていたのでしょう。そうであれば、受注と受注に対応する仕入先への発注に有効な内部統制があったかどうかという問題になります。
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