日本航空の主力金融機関が、政府に対し同社の「新旧分離」を含む抜本策を求める意向であるという記事。
「政投銀などは日航が2009年度末に実質的な債務超過に陥るとの見方を強めており、日航が要請中の追加融資は困難な情勢。早期立て直しに政府の強力な関与が必要と判断した。」
「実質的な債務超過」とはどのような状態かというのは議論がありそうですが、2009年3月期の決算をみると、純資産が約2000億円なのに対し、未認識の退職給付債務が3000億円以上あるので、仮に退職給付債務を全額認識すれば、債務超過ということになります(厳密には税効果も考慮しなければなりませんが、このケースでは無視してもよいでしょう)。
ただ、貸借対照表をみると、繰延ヘッジ損益が2000億円以上(借方)純資産に計上されています。どのようなヘッジ取引から生じているものなのか注記をみてもよくわかりませんが、これが現在どうなっているのかにも左右されるのでしょう。
仮に新旧分離となった場合には、このデリバティブ取引はどちらが引き継ぐのでしょうか。
日航:新旧分離案が浮上 政府など抜本的経営改革狙う
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