法務省が、実質的支配者情報リスト制度というのを創設するというプレスリリース。
「公的機関において法人の実質的支配者(Beneficial Owner。以下「BO」という。)に関する情報を把握することについては,法人の透明性を向上させ,資金洗浄等の目的による法人の悪用を防止する観点から,FATF(金融活動作業部会。 Financial Action Task Force)の勧告や金融機関からの要望等,国内外の要請が高まっているところです。
こうした要請を踏まえ,法人設立後の継続的な実質的支配者の把握についての取組の一つとして,登記所が,株式会社からの申出により,その実質的支配者に関する情報を記載した書面を保管し,その写しを交付する制度を創設することとし,令和4年1月31日から運用を開始します。」
「本制度は,株式会社(特例有限会社を含む。)が,商業登記所の登記官に対し,当該株式会社が作成した実質的支配者(※)に関する情報を記載した書面を所定の添付書面とともに提出し,その保管及び登記官の認証文付きの写しの交付の申出を行うことができることとするものです。」
対象は、株式会社だけだそうです。
持株比率で形式的に判断できる場合のみをカバーする制度のようです。しかも、会社の自己申告です。実質的支配者を隠そうとする場合には、名目上の株主を立てて、契約で拘束したり、合同会社を間に挟んだりすれば、簡単に制度を回避できそうですが...。
法人「実質的支配者」をリスト化 マネーロンダリング対策を強化(東京)
「上川法相は17日、法人を隠れみのとしたマネーロンダリング(資金洗浄)対策強化の一環として、法務局で株式会社の大株主をリスト化し、金融機関との取引時に法人の「実質的支配者」を把握しやすくする新制度を始めると明らかにした。」
結局、金融機関側がどれだけ真剣に実質的支配者を把握しようとするかにかかっているのでは。
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