会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「日本は借金が巨額でも資産があるから大丈夫」という虚構(ダイヤモンドオンラインより)

「日本は借金が巨額でも資産があるから大丈夫」という虚構

国の財政状況を解説した記事。バランスシートを使って説明しているので、会計士にとっては比較的わかりやすいと感じました。

バランスシートとしては公表されている「連結財務書類」を使っているほか、日銀を連結に含めた場合の話にもふれています。

日銀が資産として保有している国債約270兆円は、連結の負債である国債と相殺されるので、その額だけ負債を減らすことができる。もし日銀が、金銀財宝といった自己財源で国債を買っているのであれば、統合政府ベースで借金は減るが、実際にはそうではない。日銀が民間銀行から国債を購入するためには代金を払う必要があり、それは銀行が日銀に預けた預金(準備金)として日銀のBSの負債の部に計上される。そもそも民間銀行が国債を買う財源は、我々国民が銀行に預けた預金である。...

統合政府ベースで、日銀が保有する国債を相殺することができても、日銀に預けた民間の預金は負債として残り、統合ベースで見た場合に負債が減ることはない。」

この解説に対して、安倍政権のブレーンだといわれている学者(元財務省)が反論しています。

日銀当座預金を民間銀行の「預金」と勘違いする人々へ(ダイヤモンドオンライン)

「田中氏の論考は、日銀BSの負債の「預金」が債務性のある民間銀行の預金と同じと勘違いしている。」

「筆者の論考では何回も繰り返しているが、発券中央銀行のマネタリーベースは負債といっても、それは無利息、償還期限なしなので、実質的な債務性はない。」

この理屈をつきつめていくと、国債(外貨建てでないもの)も「無利息、償還期限なし」の日銀券を将来引き渡す約束にすぎないので、「実質的に債務性はない」ということになるのでしょう。実際、莫大な借金をしながら、政府が破綻しないというのは、そういう側面があるからでしょうが、そう割り切っていいものなのか...

当サイトの関連記事

(補足)

預金が下ろせなくなる?国の借金1000兆円を国民に負担させた「預金封鎖」とは(ダイヤモンドオンライン)

今「預金封鎖」をあおるのもどうなのかなと思いますが、この箇所は、当たっている部分がありそうです。

「小黒教授によれば、2016年1月に導入されたマイナス金利政策も、実は国民預金への課税装置と捉えることができるという。

当たり前のことだが、通常、政府が国民の財産や所得に課税するには、国会の議決や承認が必要である。安倍政権が消費税増税を再度延期せざるをえなかったように、これは政府にとって容易なことではない。しかし、マイナス金利政策はすべて日銀の独断で行うことができるのだ。マイナスの幅にも限界の規定はなく、極端に言えばマイナス100%にすることも可能だ。」
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事