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会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

安倍政権による農協解体は竜頭蛇尾に終わる(現代ビジネスより)

安倍政権による農協解体は竜頭蛇尾に終わる

安倍政権の農協改革はたいしたことはないというコラム記事。

農協監査、特に新たに作られる監査法人のことについても書いています。


「地域農協は、全中以外の一般監査法人の監査を選ぶことができて自由度が増すから、一見、地域農協にとっては得なように思える。しかし、実は、この改革の結果、仮に地域農協が一般の監査法人の監査を受けるしかなくなるととんでもないことが起きる可能性がある。

何故なら、今までの全中による監査は、身内が行うことによって、なあなあの緩い監査だったというのが一般の評価だ。そうした監査を受け続けている地域農協に、普通の民間企業並みの監査を行なえば、多くの地域農協が実は破綻していたとか、経営状態が公表されているものよりもはるかに悪いことがわかってしまうという懸念があった。本来は、その方が長期的には地域農協の健全経営につながり望ましいはずだが、その対象となる農協から見れば、急にルールを変えられるようなもので、絶対に受け入れたくないという反応になる。

そこで、今回の改革案を見てみると、全中の監査権限はなくすので監査部門は単純に廃止されるのかと思ったらそうではない。この監査部門は独立させて新しい監査法人に衣替えする。地域農協は、この新しく設立される監査法人に監査を依頼するか、一般の監査法人に監査を依頼するかを選択できることになる。

普通に考えると、全中から切り離される監査法人は、一般の監査法人との激しい競争にさらされ、場合によっては、今行っている事業が大幅に縮小してしまうかもしれない。しかし、実は、そうはならない構造的な保証がある。

全中の監査法人は、今までの地域農協との馴れ合い関係を武器に、これまでどおりの甘い監査を売り物にして地域農協の監査業務を受託することができるのだ。

地域農協にとって、これまでの貸し借りがない一般の監査法人に監査を任せるのは非常に大きなリスクを感じるだろう。全中から移行した監査法人なら、過去の不適切経理があっても、言わば、共犯者だから、時間をかけてうまく処理してもらえるという期待感がある。したがって、地域農協は今回の改革以降も全中から独立した監査法人を多少料金が高くても使い続けることになるのだ。」

こんなことは、監査法人を監督する金融庁が許さないはずだということにしておきましょう。金融機関の監査に慣れていない中小監査法人がダンピングの報酬で手を出して、金融庁から叱られるということはありそうですが・・・。
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