米SECの委員長が、2019年の活動計画の中で四半期開示について意見を募ると表明したという記事。そのほか、議決権行使会社への監督についてもふれたそうです。
「米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長は6日、2019年の活動計画を説明し、企業業績の四半期開示義務を巡って、市場参加者から幅広く意見を募ると表明した。株主総会の議案賛否を左右する議決権行使助言会社についても、監督のあり方を議論する方針を示した。」
「クレイトン氏はニューヨーク市内で講演し、SECの重点活動分野として5つのテーマを挙げた。長期投資を促す重要性を強調するなかで、四半期決算や業績予想開示のあり方に言及した。現在の仕組みが短期主義を招いているか否かについて、議論が続いていると指摘した上で「すべての市場参加者に意見を求めたい」と述べた。SECは近く委員会を開き、正式に意見公募の開始を決める見通しだ。」
「クレイトン氏が時間をかけて説明したのは、株主総会の議決権行使プロセスの改善だ。特に機関投資家に議案賛否をアドバイスする議決権行使助言会社については、改善が必要との意見が大勢だとして、監督強化に意欲を見せた。」
「投資家からも懸念の声は出ていた。ISSは投資家側に議決権行使を助言する傍ら、事業会社向けにコンサルティングサービスを手がけている。これが利益相反となって、投資家向けの助言内容が「企業寄りになる」との疑念を生んでいた。SECは今後、助言会社向けの新たな情報開示ルールを検討するとみられる。クレイトン氏は「議案の分析方法や推奨内容の決定過程の透明化が必要」と述べた。」
この日経記事で取り上げているスピーチは、SECのウェブサイトで公開されています。日経記事では、四半期開示を最初にもってきていますが、スピーチの中では、ごくわずかしかふれていないようです。
SEC Rulemaking Over the Past Year, the Road Ahead and Challenges Posed by Brexit, LIBOR Transition and Cybersecurity Risks(SEC)
すごく長いスピーチですが、四半期については、後半のSignificant Initiatives for 2019(2019年の計画を説明している部分)の中のEncouraging Long-Term Investment(見ているブラウザによっても違うかもしれませんが5行しかない)でふれているだけです。
I also believe it is important to consider ways to encourage long-term investment in our country. There is an ongoing debate regarding the adequacy and appropriateness of mandated quarterly reporting and the prevalence of optional quarterly guidance, and whether our reporting system more generally drives an overly short-term focus. I encourage all market participants to share their views to let us know if there are other aspects of our regulations that drive short-termism.
Significant Initiatives for 2019として取り上げているのは、以下の項目です。
・Completing our Work on Rules Relating to the Standards of Conduct for Financial Professionals
・Proxy Process (議決権行使助言会社の問題はこの項目です。40行以上あります)
・Capital Formation and Access to Investment Opportunities
・Encouraging Long-Term Investment
・Distributed Ledger Technology, Digital Assets and Initial Coin Offerings (仮想通貨やICOの問題)
スピーチの最後では、SECがモニターしている3つのマーケットリスク(Brexit、LIBORからの移行、サイバーセキュリティ)についてふれています。
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