日本公認会計士協会から東芝粉飾事件に関連すると思われるプレスリリースが出ました(7月21日付)。
「最近報道されている上場企業における会計不祥事は、資本市場の信頼性の観点から誠に遺憾な事態であります。
今般の会計不祥事に関し、自主規制団体である日本公認会計士協会は、当該企業に係る監査実施状況について協会内で調査を開始しております。その結果を受け、会則・規則に則り適切な対応を行ってまいります。」
調査を開始しているといっても、東芝の監査人は、2015年3月期決算と、過年度決算の訂正の監査に忙しいはずなので、現時点でどこまでできるのでしょうか。
たぶん、結論が出るのはだいぶ先でしょう。また、オリンパスの例に従えば、処分なしの場合、調査内容は公表されません。処分ありの場合であっても、会員以外に詳細は公表されないことになっています。
会計士協が調査開始 東芝の不適切会計問題(日経)
「同日都内で記者会見した森公高会長は「今回の不祥事は資本市場の信頼性の観点から遺憾な事態。現在の会計基準や監査基準に不足した点がないかも検討する」と話した。」
会計基準も監査基準も国際的レベルに達しているはずなので、この期に及んでという感じはします。特に、東芝は米国会計基準ですから、会計基準のせいにはできないでしょう。それとも、不正対応監査基準に、「職業的懐疑心」をもう一カ所増やすのでしょうか。
基準を常に改善していくことは大切ですが、今回の問題は、基準そのものというより、基準の適用の話だと思われます。
(補足)
森会長の発言が、「(監査法人の判断・手続が)現在の会計基準や監査基準に不足した点がないかも検討する」という趣旨であれば、理解できます。
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